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Netflixドラマ『13の理由』シーズン1全13話ネタバレ感想:高校生たちが直面するリアルな問題を描いた社会派ドラマ

『13の理由』シーズン1全13話

2017年に配信され話題となったNetflixのドラマ『13の理由』のシーズン1を視聴しました。2020年に配信されたシーズン4で完結しているようです。自殺、性暴力、薬物、いじめなど、多くの思春期の子供達が悩む問題について描いたドラマでした。冒頭にキャストたちの注意喚起があり、エンドクレジットでも毎回相談窓口へのアクセス情報が掲載されているくらい、慎重に扱うべき問題・表現を描いているので、未成年の方や描写に不快感を覚える恐れがある方はご注意下さい。

あらすじ

高校生のクレイ・ジェンセンが学校から帰宅すると、クレイ宛の荷物が届いていた。箱の中には7本のカセットテープが入っており、テープには2週間前に自殺した同級生ハンナ・ベイカーが自殺に至った13の理由が、本人によって録音されていた。箱を受け取った人はテープのどこかで名前が出てくると、録音されたハンナの声が告げる。彼女の課したルールは2つ。1つ目は13面すべてのテープを聴くこと。2つ目はテープを人に渡すこと。ルールが破られた場合、信頼した人に預けたダビングテープを公表するというものだった。

予告動画

登場人物&キャスト

クレイ・ジェンセン

ハンナのクラスメイトでバイト仲間。ハンナに想いを寄せていましたが、奥手なので伝えることはできませんでした。ある日、2週間前に自殺したハンナからその理由について語られたテープが家に届き、クレイは彼女の死の真相に少しずつ向き合っていくことになります。母親が弁護士。演じているのはディラン・ミネット。

ハンナ・ベイカー

自殺した高校生。クレイの通うリバティ・スクールに転校してきました。好意を寄せていたジャスティン・フォーリーと公園の滑り台で会っていた時に下着の見える写真を撮られ、それをジャスティンの友人であるブライスにいたずらに拡散されてしまいます。それから学校ではあることないこと噂されたり、「尻軽女」と陰口を叩かれてしまいます。その後も彼女にとって辛い出来事が重なり、最終的に命を絶つ決断を下してしまいます。とても可愛らしく、明るく優しい女の子です。演じているのはキャサリン・ラングフォード。

トニー・パディーラ

クレイの親友。テープに名前は出てこないけれど内容を知っていて、テープを全員に聴いてもらうというハンナの望みを叶えるため、クレイを監視しています。何も語ってくれないけれど世話は焼いてくれる、謎だけど一番正義感がありそうな青年です。演じているのはクリスチャン・ナバロ。

ジャスティン・フォーリー

バスケ部の主将でハンナの初キスの相手。チャーミングな笑顔にハンナも恋に落ちてしまいました。スクール・カースト上位の生徒でチャラ男です。最低な行為には怒りを覚えますが、シングルマザーの貧困家庭で母親の面倒を見ている一面もあります。しかし、母親が連れてくる粗暴な彼氏にはうんざりしており、母親も息子より彼氏を優先しているため、家庭に居場所がありません。演じているのはブランドン・フリン。

ジェシカ・デイビス

ハンナと同時期に転校してきた生徒。初めはハンナと友人でしたが次第に疎遠になり、ジェシカの勘違いから絶交にまで至ります。チア部に所属し、後にジャスティンと交際を始めます。父親が空軍の軍人さんです。演じているのはアリーシャ・ボー。

アレックス・スタンダール

ハンナ、ジェシカと同時期の転校生。カフェで2人と出会ってから3人でつるむようになりますが、やがて疎遠になりました。ハンナには内緒でジェシカと付き合いますが、後に別れます。鼻ピアスが特徴的です。父親が警察官で厳しめです。演じているのはマイルズ・ハイザー。

ザック・デンプシー

ジャスティンの友人でバスケ部のエース。ハンナに優しく接しようと試みましたが人間不信状態だった彼女に拒絶されたことで逆ギレしました。演じているのはロス・バトラー。

ブライス・ウォーカー

ジャスティンの超お金持ちな友人。スクール・カーストのトップに立っていますが、自分勝手で卑劣な男です。演じているのはジャスティン・プレンティス。

コートニー・クリムゼン

アジア系の生徒会メンバー。両親が同性愛者で、自身も同性愛者なのですが偏見で見られるのが怖くて秘密にしたがっています。ハンナと仲良しになれそうでしたが、流れでハンナとキスした写真を盗撮さればら撒かれたことでひたすら保身に走りました。演じているのはミシェル・セレーネ。

マーカス・コール

ブライスの取り巻きのひとりで生徒会メンバー。ユーモアがあって親しみやすそうだったのでいい人に見えましたが、全然そんなことありませんでした。演じているのはスティーブン・シルバー。

タイラー・ダウン

カメラ小僧な新聞部員。いつもカメラを持ち歩いて写真を撮りまくっていて、皆から疎まれています。ハンナのことが密かに好きで、盗撮にまで及びました。演じているのはデヴィン・ドルイド。

シェリ・ホランド

チア部員。クレイに好意を寄せています。明るくいい子ですが、パーティの帰りにハンナを助手席に乗せて飲酒運転してしまい、それがハンナを傷つける悲劇の原因となってしまいました。演じているのはエイジオナ・アレクサス。

ライアン・シェイバー

新聞部の部長。詩のクラブでハンナと仲良くなりますが、彼女の書いた詩を無断で掲載するという身勝手な行動に出て彼女を傷つけました。演じているのはトミー・ドーフマン。

スカイ・ミラー

カフェの店員。以前クレイと親しかったようですが、何かがきっかけで少し疎遠になったみたいです。リストカットしています。演じているのはソシー・ベーコン。

ジェフ・アトキンス

野球部員。ハンナに積極的にアプローチできない内気なクレイをあれこれ応援してくれる面倒見の良いお兄ちゃんです。演じているのはブランドン・ラーラクエンテ。

ケビン・ポーター

高校の教師でカウンセラー。ハンナの死について生徒たちから聞き取りをしています。ハンナは自殺する前に彼を訪ねていました。演じているのはデレク・ルーク。

ネタバレ感想

ハンナが自殺した13の理由とは

ドラマ中にでてくるバタフライ・エフェクトという言葉。一匹の蝶の羽ばたきが遠く離れた地で竜巻を起こす、という考え方のことです。つまり、些細なことが思いもよらなかった大きな影響をもたらすということですね。
わたしは最初、ハンナがえげつないいじめに遭うストーリーかと思っていたのですが、ちょっと想像と違いました。彼女が自殺に至った13の理由は次のようなものでした。

  1. ハンナがジャスティンと夜の公園でキスをした次の日、ジャスティンはハンナの下着が映った写真をブライス達に見せ、ブライスがそれを拡散し、学校中で「尻軽女」などと噂になった。
  2. ハンナはジェシカとアレックスの3人組で仲良くしていたが、ジェシカとアレックスはハンナに内緒で付き合っていた。その上、ジェシカはアレックスをハンナに奪われたと勘違いして、彼女を「尻軽女」と罵り平手打ちした。
  3. アレックスが「最高のケツ:ハンナ 最低のケツ:ジェシカ」というリストを書いたことでジェシカが勘違いし、男子生徒からはセクハラを受けた。
  4. ハンナはタイラーにストーカーされ、盗撮までされていた。タイラーはハンナとコートニーのキス写真も盗撮し、ハンナにフラれた腹いせにそれを拡散した。ゲイであることを隠したいコートニーはハンナを責め、彼女に冷たく接するようになった。
  5. ハンナはコートニーに声を掛け続け、彼女と一緒に学校のダンスパーティに行くことになったが、ブライス達にキス写真のことがバレてしまう。コートニーは「ハンナに3Pを持ちかけられた。ハンナはジャスティンのアソコを咥えた」と嘘をつき、ハンナに全てを押し付けた。
  6. ハンナはマーカスとカフェでデートすることになった。遠くの席からマーカスの友人達が好奇の目を向けてくる中、マーカスはハンナの脚の間に手を突っ込もうとしてきた。ハンナはマーカスを突き飛ばし、マーカスは怒って立ち去った。
  7. マーカスに傷つけられたハンナに、ザックが声をかける。しかし、人間不信に陥っていたハンナはザックの無神経な一言に激しい拒絶を示した。拒絶されたザックは逆切れし、ハンナに意地悪した。
  8. ハンナは詩のクラブでライアンと出会い、作品を見せる仲になる。しかし、ライアンは自分が創った新聞に勝手にハンナの詩を載せ、ハンナは学校中の笑い者になった。
  9. ジェシカのパーティで、3つの事件が起きる。1つ目は、酔ったジェシカがベッドで寝ている間にブライスにレイプされた。ジェシカの彼氏であるジャスティンがブライスに逆らい切れず、彼女へのレイプを阻止できなかった。ハンナもその場にいたが、助けることができず身を隠していた。
  10. パーティで起きた2つ目の事件。ハンナは酒を飲んだシェリに車で送ってもらうことにした。しかし、シェリは交差点にあった「STOP」の標識に車をぶつけ、標識を壊してしまう。ハンナは警察に連絡しようとするが、飲酒運転がバレたくないシェリはハンナを置いて車で去ってしまった。ハンナはその場を離れて警察に電話するが、その間に老人が運転する車とジェフの車が交差点で衝突し、ジェフが亡くなった。
  11. パーティで起こった3つ目の事件。ハンナとクレイはジェシカの部屋でいい雰囲気になり、同意の元、性行為に及ぼうとする。しかし、ハンナは今までの男達とのことがフラッシュバックし、クレイを突然拒否してしまう。クレイは急に感情的になったハンナに戸惑い、「出て行って」と叫ばれた通りその場を去った。ハンナは本心では「行かないで」と思っていた。
  12. 両親から頼まれた入金用のお金を、ハンナは不注意で紛失してしまう。母オリヴィアに責められ、傷ついたハンナは夜に散歩に出て、たまたま通ったブライスのパーティに参加する。そこでハンナはブライスにレイプされた。
  13. 最後にもう一度生きる努力を試みたいハンナは、ポーター先生を訪ねる。レイプに遭ったことを口にするが、加害者の名前は言い出せなかった。全部話してくれないと協力できない、諦めて前に進むしかないと言われ、ハンナはポーター先生の部屋を後にする。止めて欲しいと願っていたが、ポーター先生は追いかけて来なかった。

盗撮とかレイプはもう犯罪なので全く些細な事なんかではありませんし、周りの人間はクズが多いなとも思いますが、「自殺の原因」と言うには些細な事に思える理由もあるし、ハンナ自身が被害に遭ったわけではない事件も入っていました。ただ、他人から見れば些細な事でも当人は少なからず傷つくわけで、いくつもいくつも精神的に削られる出来事が積み重なり、レイプという甚大な被害で止めを刺され、最後に縋ったカウンセラーの先生にも助けてもらえず、自殺してしまったんですね。

ハンナについて思うこと

最初にわたしが想像していたいじめは、友達がひとりもいなくて、物を壊されたり隠されたり、無視されたり、直接「死ね」などと言われたり、殴る蹴るの暴行を受けたり…みたいないじめ(こんなのはもういじめではなく犯罪と言うべきですが)を想像していたので、ハンナが「自殺するほどのいじめに遭ってる子」という認識が中々できませんでした。ハンナ自身がとても可愛らしく、優しいし、コミュ力もあるし、人に嫌われるタイプではないじゃないですか。友達になりかけては裏切られを繰り返してて、ずっと孤独で塞ぎこんでるわけではなかった。ひたすらクラスメイトに恵まれなかったなと感じました。クレイとは色々タイミングが合わなくて上手くいかなかったのが無念ですね。両親はお店のことで手一杯だった部分がありましたが、ハンナへの愛情表現はしていたし、やりきれないだろうなぁ。正直、両親の気持ちを考えるのが一番辛かったです。

ハンナが経験したことって、人によってはそんな大したことではないと感じる出来事があると思います。噂に立ち向かったり払拭できる人はいるだろうし、お尻を触ってきたブライスにその場で怒れる人もいるでしょう。唇を褒められて喜んでいた子がいたように、「最高のケツ」とリストに書かれても何とも思わなかったり悪い気はしない人もきっといます。何に傷つくか、どれくらい傷つくかは人それぞれ違います。人によって違うからこそ難しいんですよね。ハンナの行動や決断にすごく共感できる人もいるだろうし、あまりできない人もいるでしょう。わたしが最初に想像していたような壮絶なイジメだったら、ただただハンナ可哀想となるだけだったかもしれません。なので、この「人によっては些細な事」と言えそうなラインを混ぜてくる見せ方が上手いなぁと思いました。考えさせられますよね。個人的にハンナは傷つきやすい人だと思いましたが、言い返せない人ややり返せない人は、どんどん傷ついていく一方なんですよね。

また、ハンナ自身に少し「え?」と思わせる部分があるのも、すごくリアルでした。わたしは後半、察してちゃんになっている彼女にちょっとモヤッとしたんですよね。詳しくは次のクレイについての項でも言いますけど。ただ、察してちゃんになる気持ちはわかるんです。辛いことがあった時、優しくされたいじゃないですか。弱ってる時ほど察してちゃんになってしまう。でも、察せるわけないんです。察してもらえたらラッキーなんです。自殺した後で「本当は〇〇して欲しかった」なんて言い出すのはちょっと酷いなぁと思いました。

前半は嫌いだったクレイ

わたし、クレイがテープ聴くの遅すぎでイライラしました(笑)。テープを聴くのがしんどいという気持ちはなるほど一理ありますが、いいから早く最後まで聴いてくれ~~~ってなりました。聴くのが遅いだけじゃなくて、合間合間で他の人をすごく責めてるんですもん。自分がテープに出てくるってわかってるのに、自分を棚上げしてよく人を責めてられるなって思いました。普通、自分が自殺してしまった子に何をしたのか気になりませんか?まあ、クレイからしたらそんな酷いことをした覚えがないから、人に怒ってられたのかもしれませんが。途中で幻覚とか見始めたり、もう聴かない!ってなった時にはぶん殴りたくなりましたよ。

で、11話目でいよいよクレイのことが語られたわけですが、「え、これクレイ何にも悪くないじゃん」ってびっくりしましたね。ハンナがテープでクレイのことを語ったのは、クレイを責めてるわけじゃなくて、感情的になってクレイを傷つけてしまった理由を説明したかったからでした。同意したもののいざ性行為をする段になってトラウマがフラッシュバックして拒絶してしまうのは仕方ありませんが、クレイにとっては急展開すぎてわけがわからないことでしょう。「出てって!」と叫んだくせに心の中で「行ってほしくなかった」なんて言っても、エスパーじゃあるまいし、わかるわけありません。パーティの翌日、ハンナはクレイに事故について話すよりもまずは謝って、自分の行動の説明しないと…。ちょっとクレイが可哀想すぎました。

テープに出てくるみんながハンナを殺したというのは間違いではないですが、「クレイがハンナを殺したのか?」の答えはYESではないように思いました。トニーはYESと言ってましたが。愛することを怖がったせいで救えなかったんですよね。「救えなかった」と「殺した」にはだいぶ距離があるはずです。
クレイにできたことはたくさんあったと思います。写真が拡散された時やお尻に性的な目を向けられている時に止めるよう声を上げたりしませんでしたし、傷ついてるであろう彼女に何か言葉をかけたシーンもなかったです。クレイは傍観者でした。だからクレイは自分自身を責めているし、自分もハンナを殺したひとりだと思っている。一方、ハンナもジェシカがブライスにレイプされている時、傍観者でした。ハンナもジェシカを助けられなかったことを自責しています。でも、もしジェシカがレイプされたことを苦に自殺したとしても、ハンナがジェシカを殺したひとりとは、わたしは言えないです。責められる点はありますが、殺したとは言えないはずです。だから、クレイにも非があるとは言えても、クレイがハンナを殺したとは言えないと思うんですよね。

クレイがハンナにした仕打ちで酷かったのは、自殺前よりも自殺後のような気がしました。ハンナのことを知らない、友達じゃないってずっと言ってましたからね。あれはハンナの気持ちを考えると寂しいです。

罪の意識に苛まれたアレックス

ハンナはテープでハリケーンの原因はアレックスだと言っていました。アレックスが女子生徒をジャッジするリストを書いたから。アレックスがあんなリストを書いたのは、ブライス達に認められたかったのと、セックスさせてくれないジェシカに対する腹いせでした。

体についてどうのこうのっていうのはなかったですけど、わたしが通っていた女子高でも「クラスで一番かわいい子」とか「頭が良い子」とか「おしゃれな子」を記名させて、クラス新聞で上位3人くらいを載せたことがありました。女子でもこういうランキングってするんですよね。今はもうしないかな?選ばれて嬉しい人はいると思います。ただ、選ばれるかどうかに関わらず、ランキングに強制的に参加させられて勝手にジャッジされるのが不愉快だと思う人は結構いるんじゃないかな。ミスコンみたいに立候補してるわけじゃないですからね。クレイが「褒められてるじゃん」って言ったのに対して「本気?」ってハンナが呆れたのは、そういうことだからですよね。

アレックスのリストにジェシカが怒るのは明白ですが、ハンナも傷つきました。ああいうリストを書くこと自体に対する嫌悪だけでなく、リストに書かれたことでまわりがそういう目を向けてくるようになったからです。不躾にハンナのお尻をニヤニヤ見たり写真まで撮って、高校生にもなって失礼な行為だってわかんないんですかね。

アレックスは自分がしたことを後悔し、どんどん情緒不安定になっていきます。テープのことがバレるのが怖くて自分の保身ばかり考えてるメンバーに、アレックスは「真実を話す」と言いました。ザックもアレックスの言葉に心を動かされたように見えました。けれど、警察官である父親の根回しで証言に行かなくてよくなったアレックスは、銃で頭を撃って自殺を図り、重体に陥ってしまいます。ザックのスマホにアレックスから着信がありましたが、あれはアレックス本人ではないですよね?誰なんでしょう。アレックスは助かるでしょうか。

加害者でもあり被害者でもあるジェシカ

一時期はハンナと友達だったジェシカ。アレックスのリストが原因で絶交してしまいます。仲直りチャンスでは?と思う場面もありましたが、結局友達には戻れませんでしたね。ハンナ視点で見ていたジェシカは好感持てなかったので、縁切れて良かったんじゃないと思いましたが。絶交した後でもハンナは酔っぱらったジェシカを家まで送ってあげたり、面倒見良くて優しかったのにね。確かにジェシカはすごく可愛いのでモテるのもわかりますが、わたしはハンナの方が可愛いと思いました。

ジェシカは確かにハンナを傷つけた加害者ではあるんですが、ブライスにレイプされた被害者でもあるんですよね。しかし、ジェシカはずっとレイプされた話はハンナの嘘だと思っていました。ジャスティンから嘘だと言われ、現実を認めたくなかった気持ちも相まって、嘘だと信じ込もうとしたのです。ハンナ自殺後のシーンで出てくるジェシカは凄く疲れた表情をしているし、自暴自棄になっている節があるし、めちゃくちゃ酒に溺れてるんですよね。嘘だと思い込もうとしてるけれど、彼女の心はボロボロなんです。ハンナの話が真実だと受け入れたジェシカは、別れたくなさそうなジャスティンを突き放し、父親に自分の身に起きたことを涙ながらに告白しました。お父さんの反応がすごく気になります。ジェシカのことをちゃんと受け止めてくれるんでしょうか。

ジェシカがレイプされる場面にハンナは居合わせましたが、怖くて隠れたまま動けませんでした。制作陣の動画で「傍観者効果」だと言っていたけれど、傍観者効果は他にも目撃者がいる状況でより効果が高くなる(目撃者多ければ多いほど責任が分散される)ものだから、ハンナの他に部屋の外に追い出されたジャスティンしかいない状況ではあんまり効果の影響はないように思いました。あの状況でハンナが声を上げるのは確かにかなり勇気がいるでしょうけどね。でも下の階には人がたくさんいますし…怖くて助けに入れなかったとしても、せめてその後の行動は他に取りようがあったのではないでしょうか。ジェシカを起こして警察を呼ぶとか。妊娠の問題もありますしね…。

テープに2度登場したジャスティン

スカートで滑り台を滑るハンナの写真を撮り、パンツが映っているその写真をブライス達に見せて拡散されるというお粗末なジャスティン。リベンジポルノというには大袈裟すぎる気がする写真です。この学校の高校生、たかがパンツの写真で大喜びして下世話な噂してるの幼稚過ぎませんか?小学生かよ。拡散させたのはブライスですが、写真を見せたのはジャスティンです。なんでそんな写真を人に見せますかね?最初から揶揄う目的でハンナに近づいたならまだわかりますが、そうは見えませんでした。遊び人の感覚だとそういう写真を見せ合うんですかね。理解できません。

ジャスティンはシングルマザーの貧困家庭で育ち、過去には虐待も受けています。母親の彼氏がいて家に帰れない時やご飯が食べられなかった時など、金持ちであるブライスが世話をしてくれました。ジャスティンにとってブライスは恩があって逆らえない相手です。それをいいことに、ブライスは「お前のものは俺のもの」というジャイアン理論で、ジャスティンの彼女であるジェシカに手を出そうとします。ジャスティンは抵抗しますが逆らい切れず、結局ジェシカはレイプされてしまいました。ジェシカはレイプした本人であるブライスより先に、自分を差し出した上に事実を隠そうとしたジャスティンを激しく非難しました。ブライスに逆らえないジャスティンの事情は、第3者視点では同情の余地がありますが、ジェシカには関係ないことです。ジャスティンは本当にジェシカに惚れているように見えましたが、ジェシカがジャスティンを許せるわけないですよね。レイプ事件後もブライスとの関係を保っていた神経もわかりません。最後にはブライスとも縁を切ったように見えましたが、ジェシカには拒絶され、ザックにも見放され、家に居場所がない彼はこれからどうするのでしょう。母親の彼氏から首を絞められ、縋るように母を呼んだ彼は流石に可哀想すぎて同情しました。息子より彼氏を選んだ母親は最低です。

犯罪者ブライス

この人きっと、ジェシカとハンナ以外の女子生徒にも性的暴行加えてますよね。こんなヤバい奴が野放しになってる学校、恐ろしすぎます。金持ちですから両親は権力持ってるはずですし、もみ消そうとしてきたり、学校が逆らえないパターンになるんでしょうか。

ジャスティンがみんなの前で、ブライスがジェシカをレイプしたことをばらした時、ブライスは「何の話してるのかわからない」って平然とした顔してたし、ジェシカには「大丈夫か?」なんてメッセ送ってるし、この人サイコパスか何か?自分が悪いことをした認識が全くなさそうです。向こうから誘ってきたって、言い訳でも何でもなく本気でそう信じてそうなのが怖いです。

ブライスはハンナのテープを聴いてないどころか存在も知らなそうでしたよね。なぜハンナは、一番の加害者であるブライスにはテープが回らないようにしたんでしょう。パンツ写真拡散の件もジェシカのレイプ事件も、ジャスティン以上にブライスが悪なのに、なぜジャスティンをテープの主役にしたんでしょうね。

盗撮魔タイラーと保身ばかりのコートニー

いくら新聞部だからって盗撮するとかあり得ないですよ、タイラー。彼は酷かった。嫌われて仲間外れにされるのも自業自得としか言いようがないです。クレイが仕返しでタイラーのお尻写真を拡散したのは、正直スッとしました。自分がやられないとわからないんですよ、こういう人間は。武器を集めて不穏な動きをしてましたが、銃乱射事件でも起こすつもりなんでしょうか。

コートニーはタイラーの盗撮の被害者ですが、自分がゲイであることを隠したいために嘘までついてハンナを矢面に立たせました。彼女にはだいぶイライラさせられましたねえ。ハンナの真実と自分の真実が違い過ぎると言うなら、コートニーの真実を早く教えて欲しいです。コートニーがカフェで両親といるシーン、わたしは最初あの男性2人は父親とお兄さんだと思っていて、ゲイの両親だという考えが全くなかったので、そこは新たな気づきでした。

導きのトニー

ハンナからダビングしたテープの保管を任され、ハンナの望みを叶えるべくクレイ達を監視しているトニー。すごい謎です。クレイのピンチにサッと姿を現したり、必要なものは先回りして用意していたりと、クレイを導く賢者みたいです。彼はエスパーかもしれません。トニーはテープに出てきません。しかし、トニーはハンナを唯一性的な目で見ない人間だったので、時々話し相手になっていたそうです。友達とまでは言えない仲だったんですかね…?テープを任せるほどトニーを信頼してたのなら、悩みを打ち明けてみればよかったのに…と思ってしまいました。トニーがハンナのためにここまで動いたのは、自殺を止められなかった後悔からなのか、それとも他にも理由があるんでしょうか。何か秘密がありそうですよね。ジャスティン達がトニーには全く手を出してこないですし、兄弟たちと誰かをボコってるシーンがありましたし、めちゃ強いんでしょうね。

トニーがハンナを性的な目で見なかったのはゲイだからなのですが、親友であるクレイはトニーがゲイだと全く気付いていませんでした。鈍感なクレイらしいです。

食い止めるチャンスを生かせなかったカウンセラー

最後にハンナが救いを求めて訪ねたのはスクールカウンセラーのポーター先生でした。彼が言ったことはすごく現実的なことだと思います。加害者の名前を言えないなら通報できない、レイプの告発するなら先生としては慎重に扱わなければいけない。それはそうかもしれません。でも、性被害を訴えて泣いている彼女に言うことじゃないのではないでしょうか…。通報はできなくても、心のケアはできますよね?有耶無耶なままハンナが部屋を出て行った後、何も対応しなかったのも理解不能です。「追いかけてきてくれなかった」っていうハンナの察してはともかく、親御さんに連絡も入れないものですか?プライバシーの問題があるから?「人生を終わらせたい」なんて吐露したんですから、性被害のことは伝えなくても、注意深く見ておくように情報共有ぐらいするべきなんじゃないでしょうか。

ポーター先生はハンナの告白を信じなかったというより、面倒事に関わりたくなさそうに見えました。奥さんとの関係でストレスもありそうでした。ハンナが自殺前に訪ねて来てたことを隠していましたし、アレックスも自殺を試みてしまいましたし、彼の責任は重く問われるかもしれません。学校側はポーター先生に全部押し付けそうですよね…。それはそれで最悪です。それにしても、校長は「この学校にいじめはありません」って保護者に言ってましたが、日本だけじゃなくてアメリカでもいじめは隠蔽されがちなんですかね。学校でいじめがないなんて、まずあり得ないですもん。

削除されたシーン

シーズン1の最終話にハンナがバスルームで手首を切って自殺するシーンがあるのですが、わたしが視聴した時にはハンナが手首を切るシーンは描かれておらず、ハンナの母オリヴィアがバスルームでハンナを見つけて取り乱す様子が流れただけでした。ハンナは画面の下にちょっと頭が映るくらいで、傷口も表情も何も見えなかったです。当初は自殺する様子が3分間にわたって詳細に描かれていたそうですが、配信されて2年経った2019年に削除されました。配信当時から専門家などから自殺を美化しているという批判や、視聴者への影響を懸念する声がありました。それに対して制作側は「眠るような死ではなく、自殺がどのようなものかをリアルに伝えたかった」として詳細な自殺シーンを描いての配信に踏み切り、配信後の批判を受けても削除対応はしなかったわけですが、シーズン3配信開始を前に世論や専門家からの助言を受けて削除を決定したそうです。2年間削除しなかったことを良く思わない方もいらっしゃることでしょう。

わたしは基本的に創作物で描いていけないことはないと思っています。暴力も犯罪も、創作物なら時にはカッコよく描かれたり、肯定的に描かれることもありますし、それは創作物なら許されるのです。残虐な創作物を楽しんで見る人間もいます。わたしもホラー好きなのでそういう類の人間です。娯楽だからです。前提として教育や適切なレーティング、注意喚起は必要ですけど、現実では法律的・倫理的に問題があることでも創作ではOKなのが基本だと思っているし、そうであるべきです。

ただ、自殺って連鎖するじゃないですか。有名人が自殺したニュースがあると、後追い自殺が起きたりしますよね。自殺にまでは至らなくても精神的に不安定になってしまう方もいらっしゃると思います。自殺報道の影響で自殺が増えることは「ウェルテル効果」として知られています。フィクションでの自殺も影響があるかは諸説別れているそうですが、慎重に描くべきテーマで、しかも、ドラマに出てくるキャラクター達同様の若い子たちにこそ届けたい内容であるドラマですから、削除は妥当だと思いました。制作側の「自殺のリアルの苦しみを見せたかった」という気持ちもめっちゃわかるんですが、「ささいな出来事が後々大きな影響を及ぼす」「傷つきやすい人がいる」「お互いを配慮しよう」というメッセージを発するドラマが、視聴者の中で最も影響を受けやすいであろう層への配慮が足りなかったというのはなんか皮肉的だなぁと感じました。

最後に

クレイの恋を応援してくれていた面倒見のよいジェフが死亡していたことは全く予想していなかったのでびっくりしました。5話で校長が「2ヶ月で2人の生徒を失いました」って言っててちょっと気にはなっていたんですが深く考えていませんでした。まさかジェフが事故死していたなんて…。彼は過去のシーンでしか出て来てなかったんですね。

シーズン2では裁判が始まるんですかね。クレイのお母さんが学校側の弁護士ですが、テープの存在が明るみになりましたし、どうなることでしょう。ブライスは犯罪者としてきちんと裁かれて欲しいですが、一筋縄ではいかなそうです。ハンナの自殺で4シーズンも続くのは難しい気がしますし、色んな波乱が起きそうですね。