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『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』ネタバレ感想:悪魔に取り憑かれた青年が犯した殺人事件

映画『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』

映画『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』を鑑賞しました。『死霊館』シリーズ3作目で、『アナベル』シリーズ等を含めた「死霊館ユニバース」の第8作目にあたる作品です。『死霊館』シリーズでお馴染みの心霊研究家エド&ロレイン・ウォーレン夫妻が、悪魔に取り憑かれて殺人を犯した青年の事件に挑みます。

私、「死霊館ユニバース」の中で『死霊館』シリーズが大好きなんですよね。と言いつつ細かい部分はほとんど忘れているので、今作に今まで出て来たことのある人物とか設定とかがあっても気付いてない可能性大です。

監督は「死霊館ユニバース」第6作目にあたる『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』を監督したマイケル・チャベスが務めています。ユニバースの生みの親であるジェームズ・ワンは原案と製作に関わっていますね。

それにしても、ダサい邦題がつきましたね…!文末の句点が一層ダサい!原題は『The Conjuring: The Devil Made Me Do It』です。”The Devil Made Me Do It”はそのまま「悪魔が私にそうさせた」か「悪魔が私に殺させた」にした方が良かったのでは。タイトルは気になりますが、内容は楽しめました。でも、『死霊館』1作目&2作目の方が好きかな~!

あらすじ

1981年のアメリカ。コネチカット州ブルックフィールドの家で、心霊研究家であるウォーレン夫妻とカトリックの神父によって11歳の少年デヴィッド・グラツェルの悪魔祓いが行われていた。父親の太腿にガラスの破片を突き立てたデヴィッドは大人たちに押さえつけられるが、11歳とは思えない力で反抗する。有り得ない向きへと体を捻じ曲げ、唸り声を上げて暴れるデヴィッドに神父は怪我を負い、エド・ウォーレンも瀕死の状態となった。デヴィッドの姉デビーの恋人で悪魔祓いに立ち会っていたアーニー・ジョンソンは、デヴィッドに取り憑いた悪魔に、「幼いデヴィッドではなく自分に取り憑け」と話し掛けてしまう。

作品情報&予告動画

原題The Conjuring: The Devil Made Me Do It
監督マイケル・チャベス
脚本デヴィッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリック
原案ジェームズ・ワン
デヴィッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリック
製作ジェームズ・ワン
ピーター・サフラン
音楽ジョセフ・ビシャラ
撮影マイケル・バージェス
編集ピーター・グヴォザス
出演者ヴェラ・ファーミガ
パトリック・ウィルソン
スターリング・ジェリンス
ルアイリ・オコナー

ネタバレ感想

ほんとにあった「悪魔が私に殺させた」事件

『死霊館』シリーズはこれまでも実話から着想を得た物語になっており、今作も元ネタがあります。それが1981年のコネチカット州ブルックフィールドでアーニー・ジョンソン(Arne Cheyenne Johnson)が起こした「悪魔が私に殺させた」事件(“Devil Made Me Do It” case)になります。この事件は米国初の、悪魔に憑依されたことを理由に責任能力を否定して無罪を主張しようとした裁判になりました。

ということは、今回の作品は悪魔に憑依されたことを法廷で証明するストーリーなのか?と思ってしまいそうですが、裁判のシーンはほぼありません。なぜなら「悪魔に憑依されていた」という弁護人の主張は、裁判官によって「そんな弁護は証明できず、法廷では実現不可能だ」と判断されて退けられているからです。なので、この映画では法廷での争いはあまり焦点に当たっていません。

では、実際はどんな事件だったのか、簡単に紹介します。

アーニー・ジョンソンと婚約者のデビー・グラツェルは新しく家を借り、その引越しの手伝いにデビーの弟である11歳のデヴィッド・グラツェルがやって来たのがことの始まりでした。デヴィッドは新居でおじいさんを目撃し、この家に引っ越して来たら危害を加えると警告されたと言いますが、二人はデヴィッドの嘘だと思って取り合いませんでした。しかし、それ以来デヴィッドは奇妙な行動を取るようになり、原因不明の傷や痣ができたため、新居を離れることにします。

グラツェル一家は心霊研究家を名乗るウォーレン夫妻にデヴィッドの悪魔祓いを依頼しました。デビーと母親は、見えない手がデヴィッドを殴ったり首を絞め、デヴィッドの首に赤い跡が現れたとウォーレン夫妻に証言しています。そして、儀式に同席していたアーニーはデヴィッドに取り憑いた悪魔に自分に取り憑くよう挑発してしまいました。

それからアーニーとデビーは、ドッグハウスの経営者でデビーの雇用主であるアラン・ボノ(映画ではブルーノという名前に変更されていました)の近くに住むことになりますが、アーニーはデヴィッド同様の奇妙な行動を見せ始めます。1981年2月16日、アーニーは妹のワンダ、ボノ、デビーと彼女の従妹メアリーの5人で地元のバーでランチを取りました。ドッグハウスに戻ると、酔ったボノはアーニーとトラブルになり、デビーが仲裁しようとしたものの、アーニーは獣のように唸りながらナイフでボノを何度も刺し、殺害してしまったのです。妹のワンダはそれを目撃していて、警察に証言しています。殺害後逃走したアーニーは3.2km離れた場所で発見され、第一級殺人罪で起訴されたのです。

映画ではワンダとメアリーは出てきませんが、大筋は大体同じでしたね。この事件、かなり前にケヴィン・ベーコン主演で『ブライアンの悪夢』(原題:The Demon Murder Case)というTV映画が製作されていたり、『The Devil in Connecticut』という本にもなっていて、オカルト好きなら興味を惹かれるネタですよね。

ウォーレン夫妻が呪いをかけた犯人を追う

映画では、第一級殺人罪で死刑になりそうなアーニーを救うため、エド&ロレイン・ウォーレン夫妻が心霊探偵の如く事件の真相に迫って行きます。実際の事件の概要を読むとデヴィッドがおじいさんを見た家が元凶のような印象を受けますが、呪いの家系はこれまでの『死霊館』シリーズでやってるネタなので、今作は違うタイプの展開になっていました。ジェームズ・ワンは今作について下記のように語っています。

さらに「調査が行われて、映画は典型的な探偵スリラーとなっている。エドとロレインのウォーレン夫妻を既に知っているファンにとっては、物語のミステリーを暴こうとする彼らと一緒に冒険に繰り出すことを今まで以上に楽しんでもらえると思う。それが本作のユニークで面白いところだと思うよ」と明かしており、ウォーレン夫妻と一緒に謎を解いていくアトラクション感覚も味わえるようだ。
出典:「死霊館」ユニバースを時系列にそっておさらい(オリコン) – Yahooニュース

ウォーレン夫妻が館の中で怪奇現象と対峙していたこれまでの作品とはちょっと違う作風にしているんです。

悪魔に取り憑かれていたことを証明するため、ウォーレン夫妻は発端であるデヴィッドの異変から調査から始めます。引越し初日にデヴィッドが悪魔に襲われたと言うウォーターベッドがある部屋の床下を調べると、そこには不気味な像が置かれていました。それは呪いの儀式に使われる魔女の像で、誰かが意図的に呪いをかけて悪魔を召喚していたわけです。そこでウォーレン夫妻は警察と連携しながら呪いの儀式を行った犯人が誰なのかを突き止めるという、ミステリー要素の強い作風になってるんですよね。

私は「犯人は誰だろう」と考えながら楽しく見れましたが、犯人候補になりそうな人が少ないので、まあそこは本当のミステリー作品とは違ってますね。私目線では、挙動が怪しかったオカルトマニアなカストナー神父か、何だか意味深なカメラワークが気になるデビーくらいしか候補がいなかったです。で、結局犯人はカストナー神父の娘イスラでした。イスラは父親に影響されてオカルトに強い興味を持ってしまい、呪いの儀式にまで手を出してしまったのでした。デヴィッドやアーニーに恨み等があったわけではなく、彼らを狙った動機は明確にはないのです。カルト信者とはそういうものだとカストナー神父は言っていましたが、いい迷惑ですね。それにしても、デビーが意味深な感じだったの何なんでしょう。

そして今作はロレインが大活躍します。ロレインの能力を怪しむ警察を圧倒的な霊視能力で黙らせちゃうところとかカッコ良かったですね。エドは悪魔に攻撃されて弱っちゃってるわ、呪いの対象にされて憑依までされちゃうわで、今回はあまりいい仕事ができませんでした。

やっぱり悪魔祓いシーンが怖くて面白い

ウォーレン夫妻の謎解きミステリーも私は楽しめましたが、一番怖くて面白かったのは悪魔祓いシーンでした。序盤のデヴィッドの悪魔祓いがゾワゾワして怖かったです。ホラーとしてはあそこが最高潮だったかも。軟体動物みたいにグネグネになる体も気持ち悪くて凄かったですしね。終盤のアーニーのキモイ動きも良かったし盛り上がりましたが、ウォーレン夫妻が別の場所で繰り広げていたイスラ戦と同時進行だったため、デヴィッドの悪魔祓いの方が迫力があるように感じました。イスラ戦は物理攻撃がメインでしたからね。それにしても、悪魔に憑依されると有り得ないほうに体が曲がったりブリッジするのは、典型的な症状(?)なんですかね。

謎解きミステリー部分は、ジェシカとケイティの事件が深掘りされなくて、関連事件の死体探し以上の意味がなかったのがつまらなかったかなと思います。そもそもイスラが呪いの儀式を始めた動機が狂信的なオカルト信者だったからというものなので、被害者達に狙われた理由や接点等がなく、深掘りしにくいのかもですね。

もしくは、イスラがオカルトに取り憑かれていくところをもう少し描いても良かったかも?「親の興味は子に移る」的な一言で片づけられてましたから。わりとすんなり腑に落ちる理由ではありますが。

悪魔祓いシーンが一番怖くて面白かったということは、やっぱり『死霊館』に期待してるのはそういうのなんですよね。マンネリ化しちゃう懸念があるのは当然で、確かに毎回同じ展開では飽きちゃうんですけど。難しいですね。館を飛び出して事件の真相を探る探偵っぷりに焦点を当てるのも全然悪くなかったですけど、1・2作目を超えることはできなかったかなぁ。

意味がわからなかったのは、遺体安置所の巨漢の死体が動いて襲い掛かって来たとこですかね…。あの巨漢は何だったんでしょう。

結末

イスラの祭壇を破壊した事で呪いは解かれ、アーニーの命は助かりました。ということでめでたく、悪魔のせいなら無罪に――なるわけがなかった。ま、事実が無罪になってませんからね。でも映画鑑賞中、心の中で「無罪じゃないんかい!!」って突っ込んじゃいました。邦題の意味よ…。暗に「悪魔のせいじゃないから有罪です」って皮肉でも込めてるんか…!?

事実では、アーニー・ジョンソンは有罪判決を受けて10~20年の服役を課されますが、態度が良かったため5年で出所できたそうです。映画の最後でも紹介されたように、アーニーとデビーは無事に結婚いたしております。エドとロレイン、アーニーとデビーの愛が呪いに打ち勝つストーリーになっていましたね。

最後に

エンドロールで流れる実際の映像や音声が一番怖いは毎度のことです。また1・2作目が鑑賞したくなりました。アーニー役のルアイリ・オコナーさん、イケメンでしたね。