FINAL FANTASY VII REMAKE クリア後ネタバレ感想:”REMAKE”の意味
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CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA / ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION:©1997 YOSHITAKA AMANO
FINAL FANTASY VII REMAKE(FF7R)、クリアしました。ストーリー1周しただけなので色々とわからない謎もあり、自分の中で上手く整理がつかないのですが、感想を書き留めておこうと思います。ネタバレするのと、否定的な感想を含みます。また、わたしはエアリスが昔から好きで、太古の昔にオタ活してたぐらいの年季が入ってるので、エアリスとクラエア贔屓が苦手な方はご注意ください。
FF7とFF7Rは別物!
プレイし始めた頃、わたしはとても面白いと思いました。美麗なグラフィックに感動したし、何より大好きなキャラクターたちにもう一度会えたのが嬉しくて楽しかった。原作になかった新しい要素も肯定的に受け止めていました。でも途中から、だんだんしんどくなりました。要素が追加されるのはいいけれど、オリジナルにあったことが削られたり改変されるのは嫌だった。もちろん、良いと思う改変もありましたし(ジェシー達に焦点を当てたエピソードなど)、改変するなと言いたいわけではないです。しかし、後半はプレイするのがちょっとストレスにすら感じました。それはストーリーに対してもあったし、単純にボスが強くなってきて戦闘が長時間になったせいもあります。オリジナルにはなかったディメンターそっくりの「フィーラー」と呼ばれる黒いお化けみたいなのが出てきたり、クラウドが未来に起こることを度々幻視したりなど、序盤から「オリジナルにはこんなのなかったな」と思う展開がありました。
ストーリーが進むうちに、エアリスは未来に起こることを知っているかのような言動を見せ、オリジナルでは死んでしまったキャラクターが生きていたりなど、決定的に違いが出始めました。エアリスはラストのボス戦の最中、「未来は白紙だよ」と言っていました。FF7Rは、FF7の物語とは違う方向に進もうとしているように思います。タイトルの『REMAKE』というのは、『オリジナルを綺麗なグラフィックにしてちょっと要素を追加しました』程度のリメイクではなく、本当の意味で『作り直し』に近いんじゃないでしょうか。運命を変えて未来を作り直すというテーマがあるように思います。個人的にこれは有りです。人気のあるFF7をそのままリメイクするのではなく新しい物語を見せるのは開発側にとっては挑戦だろうし、わたしも大好きなキャラたちの別の物語が見れるのは楽しみです。ただオリジナルが好きなわたしには、「ここ変える(削る)必要あったのかな?」という疑問を随所で感じてしまったんですよね。FF7RはFF7とは別物として楽しまないと、「わたしの思い出をぶち壊さないでくれ」ってなりかねません。それは今後の展開次第なので今は保留にしてますけど、原作が好きな方の中にはリメイク版は受け入れられない人も出てくると思います。
FF7Rはパラレルワールド?ループしている?
FF7Rを始めて「こんなのオリジナルになかった」と最初に思うであろう存在が「フィーラー」です。レッドXIIIの説明によると「運命の流れを変えようとする者の前に現れ 行動を修正する」らしい。運命の番人のようなもので、オリジナルの展開からズレそうになると現れて軌道修正してくる感じでしょうか?ただ、クラウドが壱番魔晄炉爆破後にエアリスと出逢うシーンでもエアリスに纏わりついてたのはどういうことでしょう?運命が変わりそうになる瞬間や、変えようと抗ってる人の前に出てくる感じなのでしょうか…?教会で落ちそうになったエアリスを助けたり、刺されたバレットを何事もなかったかのように復活(?)させたり、本来そこで死ぬべきではないキャラを助けてくれるぽいですよね。逆に、ウェッジのように本来死ぬはずのキャラが生き延びると殺そうとしてくるっぽいです。そして何より衝撃的なのが、ラストでザックスが生き延びるシーンがあるのです!クライシスコアのラストで大勢の神羅兵相手にザックスが突っ込んでいくシーンがあり、本来彼はそこで死んでしまうのですが、FF7Rのラストでクラウドたちがフィーラーを倒すと、そのシーンでザックスが「勝った マジか」と言って生き延びるのです。死ぬはずだったキャラが生きているということは、FF7RはFF7のパラレルワールドなのでしょうか?
FF7RのEDでミッドガルから去るクラウド達は、クラウドを背負ってミッドガルに帰ろうとするザックスと擦れ違います。一瞬「え?クラウドが2人…?」となりますが、同じ場所の違う時間軸のようで、誰も反応することはなく擦れ違って終わります。もしかしたら時間軸だけでなく、空間(世界)も違うのかもしれません。ここははっきりわからないです。ザックスのシーンで意味深に「忠犬スタンプ」が描かれた紙が示されるのですが、その絵柄がクラウドたちが見ていた絵柄と違うのですよね。それは同じ世界の過去を示してるのか、違う世界を示してるのか…わからないです。そもそも忠犬スタンプって何なんでしょう。もし同じ世界でザックス生存となると、今ザックスはどこで何してるのか気になりますし、クラウドがザックスの記憶に影響されている設定はどうなるんでしょうね。個人的にはフィーラーを倒したことでザックスが生き延びる世界線が誕生したよ~ってことで、FF7Rとは別の世界なのかなと思ったのですが、そうなるとザックス生き延びたものの物語には絡みにくくなりそうなので、同じ世界なのかもしれないですね…。あるいは世界間を行き来できるようになるとか…!?それはさすがに違うゲームになりすぎてる気がするのでなさそう(笑)一体どうザックスが関わってくるのか気になります。
パラレルワールド説だけでは、未来を知っていることの説明がつかないので、世界がループしていてエアリスは運命を知っている、あるいは覚えているのかもしれないですよね。エアリスはクラウドが何でも屋であること、七番プレートが落下することを予め知っていました。彼女の好感度が高い時に発生するイベントでは、自分の死を知っているかのように思わせる台詞があります。そしてその時、エアリスはクラウドに「かけてくれた言葉のひとつひとつ してくれたことのひとつひとつが嬉しかった」と言っていましたが、あの時点でクラウドがエアリスにとって嬉しい行動をそんなに取ったようには見えないので、オリジナルで取った好感度が上がる言葉や行動を含んでるような気がするんですよね…。飛空艇に乗せる約束をしたりとか、そういうのを。ただ、八番街で最初に出逢った時にはフィーラーに戸惑っていたので、最初はフィーラーとか未来とか知らなかったけど、どこかのタイミングで知ったのでしょうか…?
セフィロスも未来を知っているような感じがします。謎なのはクラウドも時々未来を幻視をすることです。フィーラーを倒した時は皆が未来を見ましたが、これはなんかフィーラーの影響なのかなとわかるのですけど、そうでない時にクラウドが時々幻視したのは何なんでしょう。彼もループしてる記憶があるのでしょうか…。それに、レッドはなぜあんなにすんなりフィーラーだとか捨てようとしてる風景だとか、理解できてるんでしょう。エアリスに触れられた時フィーラーの知識がそこにあったって言ってましたけど、エアリスの能力便利過ぎませんか?そしてその知識を見た(?)だけですぐに理解して受け入れてるレッドも不思議すぎる。マリンも何かエアリスから感じ取ってましたね。「エアリスはクラウドのこと好きなんだよ」の台詞が消された上に、何を言おうとしてるか気になる感じに改変されましたね。エアリスの死を見たんでしょうか。
まだはっきりとはわからないですけど、このようにパラレルワールド説やループ説が出て来るほどの違いがあるので、FF7RはもうFF7とは別物と言えるでしょう。チャプタータイトルやマップ名に『特異点(シンギュラリティ)』というループものやパラレルワールドものによく出てくるワードが使われてるので、ループあるいはパラレル、もしくは両方ともである可能性は非常に高いと思います。
エアリス生存ルートはあるのか?
ウェッジが助かり(その後安否不明ですが)、EDではビッグスもリーフハウスで目覚めるシーンがあり、何よりザックス生存ルートが示されたのです。レッドが「我々が捨てようとしている風景だ」と言った中にエアリス水葬シーンもありましたので、生存ルートはかなり期待できると思います。死ぬはずだったキャラが皆生存ってどうなの…?という複雑な気持ちですけどね。それに、結局は生き延びたキャラも最後は消えるみたいなほろ苦いエンドにする可能性もあるのでまだ生存確定とは言えないです。オリジナルでは命の重みを伝えるためにエアリス復活はなしになったと言われてますし、それを反故にしてまで生存ルートや全員生存をやるんだとしたら、よっぽど納得いく出来になる自信があるんでしょう(ハードル爆上げ)。とは言え、やっぱり好きなキャラが生きてくれるのは嬉しいですね。ただ、エアリスを喪った悲しみ、守れなかった悔しさを乗り越えての生存なら歓迎なのですが、全く違うストーリーラインになったことで死は回避されました~嬉しいね!みたいなお話なら、正直生存しなくてもいいかなと思います。クラウドのあの時の指先のチリチリを、カラカラな口の中を、なかったことにして欲しくないのです。また同じ痛みを味合わせろということではなく、あの悲しみを知っている上で今度こそ守ってあげてほしいんです。ザックス生存したことで、守るのはザックスになりそうな感じもありますが、あの時助けられなかったという意味でクラウドに任せたいよ…。その後しょい込んだ罪悪感を払拭するためにもさ…。
ダブルヒロインなのに扱いに差を感じる?
わたしがFF7Rをプレイしていて段々モヤモヤしていった大きな原因は、ダブルヒロインなのに扱いに差を感じたことです。オリジナルではプレイヤーの選択肢でどのキャラにデレてどのキャラに冷たくするか決めれるので(勿論全員にデレたり全員に冷たくもできる)、わたしのFF7はエアリス離脱まではめちゃくちゃクラエアな雰囲気で進んだのです。でもリメイク版は、オリジナルより格段に選択肢があるシーンが減らされていて、基本的にティファはオリジナルでの好感度高いバージョンで話が進む感じなのに、エアリスには冷たいように思いました。最初の出逢いでは「面倒だな」と言わせたり、美人局を警戒させたりとオリジナルと全然様子が違うし、再会したら覚えてないの一択。とにかくなんか冷たい…。屋根上で肩を震わせて笑い合う演出はなくなり、ザックスと付き合ってたのか聞く台詞もなくなり、エアリス救出時に再び捕まるイベントは丸々カットされて会話も削除…。一方でティファとはずっといい雰囲気で、とにかく絶対守るマンになってるし、終始ずっと心配していてティファへの想いでいっぱいなんだなという感じがすごく伝わってきます。それはクラティのシーンではないところでも、たくさんあるんですよね。クラウドもティファもすぐ落下しては颯爽と助け合って、何回落下するねんという感じです。カッコイイのは確かだけど、ワンパターン過ぎませんか?そもそもFF7R全体的にみんな落ちすぎで笑える。ホイホイ落ちてく。オリジナルでティファの好感度上がるようなプレイしていた人は違和感ないかもしれないのですけど、わたしが遊んでいたものとは違いすぎて…。列車から飛び降りるところ、オリジナルではティファは自分でえーいと飛び降りてたのに。だんだん、原作って少女漫画だっけ?という気分になっていきました。野村さんがティファお気に入りなのは有名な話ですから、なんて言うか、開発側のティファに対する愛情をビンビンに感じて、エアリスが可哀想になってしまったんですよね。ティファ関係で冷たい対応に改変されたり、削除されたシーンってあるのでしょうか?気になります。それに、エアリスが神羅に連れて行かれてすぐ助けに行かないのも「?」という感じでした。七番街の様子が気になるのは一理ありますが、エルミナが救出を止めるのは不自然な気がします。なんで皆こんなに薄情なのって悲しくなったし、ボディガード設定忘れてませんかって画面に問いかけそうになりました。
FF7て昔からクラエア・クラティ論争が起きてますが、どっちかに決着がつくようなことはないんじゃないかなと思ってました。リメイクでもはっきり決着はしないだろうと思ってるんですけど、大筋はクラティでいきそうです。クラウドとティファがセットみたいな見せ方でしたから。エアリスの「好きにならないで」「気のせいだよ」は、クラウドではなくわたしに向けられてる気がしました。このまま、好感度あげとけばちょこちょこ他キャラともいい雰囲気の見れるよ、ぐらいでいくんじゃないでしょうか…。完全に好感度によるマルチエンディングができたらいいけど、そういうことはしないような気がするんですよね。クラティだけど、クラエアの可能性もなしではないよぐらいの匂わせ程度になるのかな。それってなんか二股三股みたいな絵面になりそう。今回、ティファといちゃいちゃしてる癖に時々ジェシーやエアリスにふらふらしてるすげー嫌なクラウド見ちゃったような感じですもん(笑)テーマソングの『Hollow』がクラエアっぽく見えるけど、未来は白紙になったのでどうとでもできそうです。そもそも同じ世界線でザックス生存したら、クラティ・ザクエア以外に開発陣がすると思えないんですよね…。さすがにザックス生存なら、いくらクラエア好きのわたしでもザックスほっとけないっす!
ちょっとネガティブに書きすぎたかもしれませんが、クラエアシーンはちゃんとあります。ファンには涎ものになってるので補給してください。そして、オリジナルよりタークスとエアリスの関係がいい感じに描かれてたのが、個人的にかなりぐっときました。
エアリスの目的は?
未来を知っているであろうエアリスの目的が、イマイチわからないんですよね。ラストでエアリスは、「セフィロスを止めるためにみんなに手伝ってほしい」と伝えますが、彼女が呼びかけなくてもクラウド達はセフィロスを追って星を守るために戦いますよね…?少なくともオリジナルはそうです。エアリスは何を変えたいんでしょうか?レッドが「この星は滅びる運命らしい」的なことを言ってた気がするので、FF7Rは星が滅びる世界線なのでしょうか。オリジナルの結末は、星は傷を負うけど滅びはしないはず…。星が滅びる未来を見てるなら、エアリスが変えたいのは星の運命なんだろうなってわかるんですけど。自分が死なない未来に変えたい、とか?生きたいと思ってるはずですが、うーん?ザックスを助けたいとか?わからないです。エアリスはよく「一緒に」とか「みんな一緒なら」みたいな台詞を言っていたような気がするので、何周ループしても誰かが犠牲になってしまうとかでしょうか?だから、自分も含めて誰も犠牲にならないようにしたくて「星を みんなを守りたい」と言っていたのかもしれないですね。
セフィロスの目的もよくわからないです。なぜクラウドに共闘を匂わせるようなこと言ったんでしょう…。しかも、「運命に逆らうな」と言ったり「共に運命に抗ってみないか?」と言ったり、矛盾していてわけがわかりません。ただ、今回はセフィロスにも救いがあるかもしれないと感じました。
最後に
ついクラエアファンとしての不満をたくさん吐き出してしまってすみません。不満はあったけど、やっぱりクラウドはカッコよくて美しくてダサくてノリよくて可愛いし、ティファもエアリスもどちゃくそに可愛いくて見てるだけで幸せになれるし、バレットは最初うるさいけどどんどんクラウドを信頼していく様が分かって良い感じだし、ジェシーは新たなヒロイン誕生だし、ビッグスとウェッジもオリジナルより仲間感を強く感じるし、レノとルードすごいカッコよくて惚れたし、ツォン美人度アップしてミステリアスだし、レッドはゲストキャラなの解せないけど早くナナキになった顔が見たいし、ザックスちょっとしか出てないけどめちゃイケメンでどうなるか興味津々だしで、いいところもすごくたくさんありました。クラエアイベントは切ない雰囲気だったり笑える可愛いものだったり、クラティイベントはラブラブでそれぞれ良さがあります。それ以外にもクラウドとジェシーのカップリングも成立しそうですし、セフィクラとかザックラとか、エアリスとタークスとかティファとルードとか、あらゆるカプファンにネタを提供してくれてる感じがあります。考察や妄想がはかどってめちゃ楽しいので、何だかんだ続きを待ってる自分がいます。続き…出るんでしょうか。何年待てばいいですか?(笑)
最後に、とても悲しいことにレノ役の声優を務めてきた藤原啓治さんが4月12日に亡くなられました。わたし、今回のリメイクで一番ときめいたのレノだったんです。あの独特の喋り方をすごく自然にレノらしくして下って、本当に素晴らしかったです。続きではもう藤原さんのレノは聞けないのでしょうか。収録済みだったら嬉しい…。レノにキュンキュンしてる時に訃報を知ってすごくショックでした。ご冥福をお祈り申し上げます。