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Netflix『暴君になる方法』ネタバレ感想:暴君の戦略を学ぶドキュメンタリー

Netflixドキュメンタリー『暴君になる方法』

Netflixのドキュメンタリー『暴君になる方法』シーズン1全6話を視聴しました。ドラマではなくドキュメンタリー映像作品ですので感想ってほどのことは書けないんですけど、面白かったので視聴記録として記事を残しておきます。原題は『How to Become a Tyrant』になります。

ネタバレ感想

悪名高い暴君たち

暴君って聞くと、皆さんは誰を思い浮かべますか?私は真っ先にヒトラーが浮かびました。歴史上に暴君はたくさんいます。ネロとかカリギュラとか、何をしたかは詳しくないけど暴君として名前を知ってる人とかいませんか。

この作品にもたくさんの暴君の名前が出てきますが、主に取り上げられるのは以下の6国で台頭した暴君です。

アドルフ・ヒトラー (ドイツ)
サダム・フセイン (イラク)
イディ・アミン (ウガンダ)
ヨシフ・スターリン (ソ連)
ムアンマル・カッザーフィー (リビア)
金日成/金正日/金正恩 (北朝鮮)

学校の授業で習ったり、ニュース等でよく聞いたりする名前ばかりですね!…ちなみに私は、イディ・アミンという人は存じ上げませんでした(笑)。”食人大統領”って呼ばれてるそうで…こわっ。カッザーフィーは、カダフィ大佐と呼ぶ方が馴染み深いかもしれません。

上記の暴君達が暴君として君臨するために使った戦術をまとめた本を”プレイブック”と呼び、そこから暴君になる方法を学ぶ、というコンセプトの作品になります。

ナレーターが良いに尽きる

ドキュメンタリー映像作品ですので、役者さんは一人も出てきません。実際の映像に加え、学者さんや歴史家さんたちのコメント映像、アニメーションなども多用されています。映像がない時代の話に触れる時は、何かの映画らしき映像も使われてるように思います。

そしてこのドキュメンタリーの一番の魅力はナレーターなんですよ。『ゲーム・オブ・スローンズ』のインプことティリオン・ラニスターを演じたピーター・ディンクレイジが務めてるんです。つまり、渋くて落ち着く美声。そして、「暴君を語る」ことに非常に適任だと思いませんか。サディスティックで愚かな暴君ジョフリーに散々苦しめられ、心優しいと信じたのに後に暴君へと変貌したデナーリスに仕えたティリオンが暴君を語る…。ゲースロファンならこれだけでも楽しめると思います!

お勉強になりますし、1話30分程度なので気軽に視聴できるのも良かったです。

これであなたも暴君に!

暴君達が権力を得るために用いた様々な戦術が紹介されるのですが、その中から少し紹介します。

真実の隠蔽 / Control The Truth

私、独裁国家を築くには真実の隠蔽がほんと大事だよなぁって思いました。独裁者にとって真実は不都合ですから。作中ではスターリンの話で真実を隠蔽する戦略が出てきますが、他の独裁者たちもみーんな使ってますよね。ナチのゲッベルスのプロパガンダなんか超有名ですし。

スターリンは写真加工しまくって自身の印象操作をし、歴史も改竄し、検閲しまくって情報統制もしました。国民は、物価や飢餓、犯罪統計や失業、自然災害から外国製品の広告、薬の入手方法に至るまであらゆる会話を禁止されます。書物は焼かれ、当然本の検閲も厳しく課されます。ウクライナで大飢饉が起こっても報道されず、国民は知る由もありません。そして左翼の作家や思想家達を利用して自分の理想がいかに素晴らしいかだけを広めたんですね。

すべからく暴君たちは情報を統制して真実を隠蔽し、歴史を改竄し、自分たちに都合の良い真実もしくは嘘の情報だけを広めて国民を洗脳し、支配するんです。

永遠の支配 / Rule Forever

プレイブックで取り上げられる暴君の支配は酷いものですが、ほとんどが一代限りで終わってるんですよね。現代において独裁を継承していくのは難しいようです。そんな中、三代続いているのが北朝鮮の金王朝です。金正男の殺害だとか金正恩の影武者説だとか色々ありましたが、なんだかんだまだ権力を握っている金一族…。日本から近いのに謎に包まれすぎていて実のとこあまりよく知らない国。ミサイル発射や拉致問題で、ただただ迷惑な国っていう印象です。

金一族はいかにして権力の存続を可能にしたのか。世界から自国民を孤立させ、一族を神格化したんですって。孤立というのは、前項でも述べたような厳しい情報統制や規制をし、盗聴し、海外との行き来をほとんど無くすことで実現しています。そして、金日成はカルト宗教みたいな個人崇拝を国民に強要し、金正日は神話に自分を登場させたり超人的なエピソードを創作したりして神格化を図ったのです。金正日は排泄物を出さない、で笑ってしまいました。アイドルかよ!

もちろん孤立と神格化以外にも金一族がとった戦略はあるわけですが、これだけ高度に発達した情報化社会において権力を一族に継承させていくことに成功している国というのも面白いですね。絶対にそんな国に生まれたくないし住みたくないですけど。

最後に

暴君には誰でもなれる。つまりそれは、誰でも暴君になりうるということ。最後のメッセージが中々重く響きました。暴君って、その残虐性に目を向けてしまいがちなんですけど、良い面にしろ悪い面にしろ社会に大きな変革をもたらしているんですよね。その遂行力とかナルシスト力は単純に凄いなって思いました。そして、長続きはしないことが多いとしても、(脅しと金で)支持をする人間がある程度はいるわけです。そこを崩すのがどれほど難しいのか、平和な世界を生きている私の想像がいつも及ばないんですよね。なんでこんな暴虐非道なやつがのさばってんだろう~ってなっちゃう。