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映画『樹海村』ネタバレ感想:都市伝説×ネット怪談!有名なお話をくっつけてみたよー!

『樹海村』

清水崇監督による『犬鳴村』に続く恐怖の村シリーズ第2弾、『樹海村』を鑑賞しました。『犬鳴村』がイマイチだったのであまり期待してませんでしたが、『犬鳴村』のほうがまだ面白かった…と言えるレベルでした!英題は『SUICIDE FOREST VILLAGE』になってます。青木ヶ原樹海は海外でもSuicide Forestとして知られています。いつだったか、海外のYouTuberが樹海で撮影した自殺者の遺体をアップして炎上していましたね。

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本ページの情報は2022年7月時点のものです。現在は配信終了している場合もありますので、最新の配信状況は各動画配信サービスの公式サイトにてご確認ください。

あらすじ

出口民綱は助手と共に樹海をパトロールしていたある日、樹海から逃げるように出て来たボロボロの幼い姉妹を保護した。13年後、YouTuberであるアキナは樹海でライブ配信していた。迷わないよう命綱である赤いテープとコンパスを手にひとりで樹海を進んで行くと、男性の姿を発見した。声をかけて追いかけるも、見失ってしまう。集落の痕跡のような場所に辿り着くと、コンパスの針がぐるぐると回転し、異様な音が聞こえてきた。パニックになったアキナはテープを辿って戻ろうとするが、腐乱した首吊り死体を見つけて倒れこみ、配信は途絶えた。その配信を見ていた天沢響と姉・天沢鳴は、友人の引越しを手伝っていた時に家の軒下から奇妙な箱を発見する。

作品情報&予告動画

監督清水崇
脚本保坂大輔
清水崇
音楽大間々昂
撮影福本淳
編集鈴木理
出演者山田杏奈
山口まゆ
神尾楓珠
倉悠貴
安達祐実
國村隼

ネタバレ感想

樹海にまつわる都市伝説とネットで有名な怪談の融合

富士山の麓に広がる青木ヶ原の樹海は自殺の名所として有名です。「樹海村」というのは、富士の樹海には自殺しようと訪れたものの死ねなかった者たちが集まって作った村がある、という都市伝説のことです。都市伝説とか心霊好きにとっては好奇心を擽られる設定です。ところが、わたしはまったく事前情報を入れずに鑑賞したので、途中で家の下から急に謎の箱が出てきた時は混乱しました。その箱の正体はコトリバコ。「コトリバコ」は、2ちゃんねる(当時)のオカルト板に投稿された怪談で、「リゾートバイト」「八尺様」「くねくね」なんかと共によく名前を挙げられる人気の怖いお話です。コトリバコの内容は是非検索して読んで下さい。わたしも昔読んだことがあるのでコトリバコというワードは覚えてましたが内容をちゃんと覚えてなくて、とにかくこの映画見た時に「なんでコトリバコが?」と不思議に思いました。最初っから、樹海村とコトリバコを組み合わせたホラーとして宣伝していたのですね(笑)。

融合して出来上がった設定が次のようなものです。
昔、身体や精神に障害のある者達が神への生贄という名目で口減らしのために樹海に捨てられていました。捨てられた者達はひっそりと樹海に村を作り、村人たちは木で出来た箱の中に切断した左手の薬指を入れて、箱が置かれた家の家系を根絶やしにするという呪いの箱を作り出しました。

有名な怖い話を融合させた発想はとても面白かったですが、『樹海村』というタイトルから期待していた内容ではなかったかなぁ…。樹海が怖いのか箱が怖いのか、定まらない感じ…むしろ、神出鬼没で無関係な人間を根こそぎ呪い殺してくる箱の方が怖いんですよ。タイトルにもなっている樹海村をコトリバコが食っちゃった感じがしました。恐ろしい呪いの箱が生み出されたのは差別によって切り捨てられた人間たちの村、というのはわかりやすいし強い怨念を感じる設定ですが、色々考えていると別に樹海村じゃなくて良かったんじゃ…と思ってしまいました。コトリバコの呪いによって樹海と関係ないところで死んでるし、樹海から強く連想される「自殺」という要素もどこかへ行ってしまいました。

またしても呪いのルールがわからない

『犬鳴村』でもそうだったんですけど、いまいち呪いの法則がわからないんですよね。「この箱が置かれた家はね、みんな死んで家系が途絶えるの」と言ってたのに、箱が置かれた家の人間ではない人(大家さん)も死んでいます。箱に触ってもアウトなんでしょうけど。だとしても、箱が置かれた家の人間でもないし触ってもいない野尻医師(塚地武雅)はなぜ死んだんですか。

襲い来る人面樹

コトリバコの呪いで死ぬパターンと、樹海に入って死ぬパターンがありましたね。YouTuberアキナ(大谷凜香)と視聴者たちはコトリバコとは関わってませんでしたが、樹海村に入って死亡しました。家に箱が置かれていた妊婦の美優(工藤遥)は行方不明になり、樹海村で樹木に取り込まれたような姿で死んでいました。美優は箱と樹海村を繋ぐような死に方してるのがいいですね。箱によって樹海に誘われた感じが出てます。
樹海村に行くと木に襲われて死んじゃうみたいです。木に絡めとられて殺されちゃうんです。なぜ木が襲って来るのかはわかりません!樹海村の村民(霊)が木にトランスフォームしてましたから、人面樹になれるということですかね。人面樹に怖さはなかったですが、『犬鳴村』の時の犬女のような滑稽さもなく、舞台芸術でも見てるような感覚になりました。

感動モノ?命に代えて守りあう家族愛を描いた終盤

冒頭で出口民綱(國村隼)に保護された幼い姉妹は鳴(山口まゆ)と響(山田杏奈)でした。鳴と響は幼い頃、家の倉庫にあったコトリバコに触れようとしたのですが、母・琴音(安達祐実)に寸でのところで止められます。琴音は鳴と響を連れて、箱を返すために樹海村へ向かいます。ところが村民の霊に襲われ、琴音は穴に転落してしまいます。穴から出られない琴音は鳴に響を連れて逃げるよう言い、姉妹は樹海を抜けたところで出口に保護されたのでした。しかし、鳴はずっと、母は自分たちを道連れに樹海で心中しようとしていたのだと思い込んでいました。

樹海村で母と同じように穴から出られなくなってしまった鳴ですが、響が身を挺して助けてくれたおかげでなんとか樹海村から逃げ出します。それまで決して仲の良い姉妹ではありませんでしたが、最後は妹が姉を救うために犠牲になる形となりました。

とまあ、母の愛や姉妹愛が爆発して終わりを迎えるという、感動系ホラーに舵がギュインと切られました。ん~~~、ぶっちゃけ全く感動しなかったどころか、逆に白々しい気分になってしまった。ゾクゾクするようなホラーが見たいんですよぉ…。今回、怖いと思ったシーンがほとんどなかった上に最後は感動路線に走ったから、もうホラー映画としては全く面白く感じられませんでした。

感動系ホラーって難しいですよね。以前アマプラで見た『マザーハウス』という映画が、一見ホラーなんですけど実はよく練られた感動物語で、謎解きサスペンス要素もあってとても面白かったんです。あれぐらい緻密に伏線を張って最後にどんでん返しの感動ストーリーにできれば「ホラーなのに感動できる映画」として面白く感じたかもしれないんですけどね。『マザーハウス』は、パッケージや邦題がホラーに寄り過ぎた感じもあり、そもそもホラーではないのかもしれませんが。ちなみに現在アマプラでは利用不可になっていました。

琴音は初登場シーンから幽霊の雰囲気をガンガンに醸し出してたので、既に死亡しているという事実が明かされても少しも驚きがなかったし、鳴が母に嫌悪感を持っているシーンも多くは描かれてなかったので、「実は命に代えて守っていた」という場面で大して響かなかったのでは…と思いました。それに、琴音はなぜコトリバコのことを知っていて、樹海村に返すという呪いの解き方(?)を知っていたんでしょう。謎解き要素もあまり面白みがなかったです。

『犬鳴村』からの特別ゲスト

『犬鳴村』に出て来た人物が『樹海村』にも出張されてましたね!
まず、冒頭のYouTuberアッキーナことアキナちゃん。『犬鳴村』の冒頭でも西田明菜ちゃんという女の子が動画配信のために犬鳴村を探していました。役名が「アキナ」と「西田明菜」で異なってるので別人設定かもしれませんが、同じ「あきな」ですし、ふたりとも動画配信のために心霊スポットに立ち入るという設定が同じですね。役者さんも同じで、どちらのあきなちゃんも大谷凜香さんが演じておられます。『樹海村』も『犬鳴村』も、あきなちゃんのパートが一番恐怖感あるかもしれない(笑)。特に『犬鳴村』は彼女のパートが最もホラーしていて良かったです。

もうひとりは病院で看護師に「りょうたろうくん」と呼ばれていた男の子です。『犬鳴村』に「遼太郎」という名前の男の子が出てくるのですが、彼も病院にいる設定なのでもしかしたら同一人物の可能性も…?

最後に

トレーラーとか公式サイトとか確認して「コトリバコ」との融合だと知っていればまた違った心構えで見れたのかもしれませんが、『樹海村』というタイトルだけで見たので、コレジャナイ感が強かったですね。『犬鳴村』にしろ『樹海村』にしろ、題材は凄く好みなんですけどね。恐怖の村シリーズはまだ続くのでしょうか。恐怖の村と言うからには、村で恐ろしいことを起こして欲しいです。

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