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『ナルコス』シーズン3全10話ネタバレ感想:カリ・カルテル、そして汚職との戦い

『ナルコス』シーズン3全10話

Netflixドラマ『ナルコス』シーズン3を全話視聴しました。エスコバルが死んでメデジン・カルテルとの戦いは終わり、カリ・カルテルとの戦いへと突入しましたね。エスコバルの話がめちゃくちゃ面白かったので、彼がいなくなってしまったことでやはり少し勢いがダウンしてしまった感じはありました。でも、後半にいくほどどんどん面白くなりました。

また、シーズン3では語り手がマーフィーからペーニャへとバトンタッチされ、マーフィーは出演しませんでしたね。てっきり事実がそうなのかと思ったら、実際はペーニャはカリ・カルテルとの戦いには関わっておらず、コロンビアを離れていたのだとか。シーズン1&2では圧倒的にエスコバルが物語の主人公になってましたし、語り手であるマーフィーには印象的な見せ場がなかった上に感情移入ができるキャラでもありませんでしたが、シーズン3でいなくなってしまったのは寂しさを感じました。なんだかんだマーフィー&ペーニャのコンビが良かったんだなあ。事実に基づいていたわけでないのなら、なぜマーフィーだけ退場してしまったんでしょう。俳優さんの都合かしら。

あらすじ

エスコバルの死によってメデジン・カルテルは壊滅し、コロンビア産コカインの80%をカリ・カルテルが支配することになった。カリ・カルテルは権力者達を徹底的に買収し、メデジン・カルテルのような政府との対立を回避していた。また、カリの町はカルテルによって監視され、通話は盗聴されていた。カリ・カルテルはDEAの新たな標的となり、リーダーのヒルベルト・ロドリゲスはコロンビア政府と交渉して最低限の収監と合法な商売の継続を条件に自首をすることを決める。

予告動画

新たな登場人物&キャスト

シーズン3から新たに登場した人物の一部を紹介します。

ホルヘ・サルセド

カリ・カルテルの警備責任者。カリの監視・盗聴システムを構築した有能な人物です。カルテルでの仕事を辞めて自身の警備会社を設立するはずでしたが、優秀が故にミゲルの信頼も厚く、自首が完了するまで引きとめられてしまいました。カルテルの警備担当でありながら銃を持たない主義です。演じているのはマティアス・バレラ。

チェペ・サンタクルス・ロンドーニョ

カリ・カルテル四天王の一人でロドリゲス兄弟の幼馴染。カリのニューヨークでの商売を仕切っていて、偽名でニューヨークに滞在しています。演じているのはペピ・ハパゾティ。

ダビド・ロドリゲス

ミゲルの息子。典型的な権力者の息子みたいなタイプで嫌な奴!父親の信頼を得ているホルヘのことを毛嫌いしています。演じているのはアルトゥーロ・カストロ。

ナベガンテ

カリ・カルテルのシカリオ。シーズン1から度々登場しています。当初はゴンサロ・ロドリゲス・ガチャの下にいましたが、ガチャを裏切ってDEAに情報を流し、カリ・カルテルへと渡っています。独特な雰囲気があります。演じているのはフアン・セバスティアン・カレロ。

ギジェルモ・パロマリ

カリ・カルテルの会計責任者。賄賂などの金の流れを把握している重要人物です。演じているのはハビエル・カマラ。

クリス・ファイストル

DEA捜査官。昇進したペーニャの下で働くことになります。カリに行って捜査する気満々です。演じているのはマイケル・スタール=デイヴィッド。

ダニエル・ヴァンネス

DEA捜査官。ファイストルの相棒。演じているのはマット・ウィーラン。

ネタバレ感想

メデジン・カルテルとの戦いに比べて派手さは控えめ

エスコバルが死んで、シーズン3の敵はカリ・カルテルになりました。カリ・カルテルはヒルベルト・ロドリゲス、ミゲル・ロドリゲス、パチョ・エレラ、チェペ・サンタクルス・ロンドーニョの四天王が仕切ってるわけですが、リーダーはヒルベルトが務めています。

エスコバルが率いたメデジン・カルテルが政府に喧嘩売って激しいテロ攻撃などを展開していたの対して、カリ・カルテルは有力者達を買収しまくって政府との対立を避ける路線を取っていたために派手な抗争などがなく、シーズン前半はなんだかちょっと物足りなさを感じていました。やっぱり、エスコバルの悪党としての魅力は偉大でしたね。カリ・カルテルの四天王一人一人は決してつまらないキャラではないですけれど、それでも彼ら全員を足してもエスコバルの悪のカリスマ性には敵わなかったです。

しかも、1話目からヒルベルトは好条件で自首するという取引を政府としているため、それが破談になってしまうような事態は避けたいわけです。自首の前に逮捕されるようなことがあっては台無しなので、ロドリゲス兄弟は身を隠してしまいます。つまり、しばらく大きな争い事が起きない。資金洗浄がどうとか、ペーニャ達現場のDEA捜査官とCIAやアメリカ・コロンビア政府側の思惑の擦れ違いとか、そういう組織内部の裏側やゴタゴタが描かれることが多かったように思いました。資金洗浄がどうたらとかは難しくてペーニャのナレーションをぼんやり聞いていても私にはよく理解できない。なので、シーズン始まってしばらくはやっぱりエスコバルがいないと面白さも半減だなぁと思っていました。ほとんどが新しい登場人物で、思い入れがあるキャラもペーニャ以外いなかったですし。

話が勢いに乗って面白くなりだしたのは、ヒルベルトが自首前にDEAに逮捕されてしまってからでした。元々自首することにあまり前向きじゃなかったミゲルが、刑務所にいるヒルベルトの指示に反抗して対決姿勢を強めてからエンジンがかかりましたね。ヒルベルト以外の3人は、元々自首することに積極的ではなさそうでした。それでも、彼らの絆が壊れるようなことにはなりませんでしたが。

ラスボスだと思っていたヒルベルトが中盤であっさりと逮捕され、ミゲルがラスボスでしたね。彼の息子のダビドも悪党として物語を引っ張ってたように思います。ダビドのことは嫌いでしたけど。私、ミゲルのことが板尾創路に見えて仕方なかったんですよ。シーズン2では全然そんなこと思ってなかったのに、シーズン3になってから急に板尾さんに見え始めて、ミゲルが映るたびに「板尾さん!?」ってなっちゃって、全く恐怖心とかが持てなかった(笑)。兄の影に隠れていた弟が「俺の時代だ!」みたいな感じでイキリ始めたのも、なんとなく小物感が漂いますよね。でも、カリスマ性に溢れていたエスコバルに対してミゲルの小物感は、逆に良かったかもしれません。エスコバルの魅力を上回る悪党をたった数話で作り上げるのは難しいでしょうし、私には板尾効果もあってちょっと親しみを感じました。

ラスボスがミゲルになったからといって派手な戦いが増えたわけではありませんが、裏切りや作戦の成否などの人間ドラマの部分がスリリングになって面白くなりました。

シーズン3の主人公はホルヘ!

私には板尾効果があったとはいえ、ミゲルに感情移入していたわけではありません。シーズン3を盛り上げてくれたのはなんといってもホルヘですよね。カリ・カルテルの有能な警備責任者で、ミゲルにめちゃくちゃ信頼されている男です。ミゲルは息子ダビド以上にホルヘを信頼しています。そして、ホルヘはカルテルから足を洗いたいため、DEAに情報を流している裏切者でもあります。

カルテルの警備責任者でありながら銃は持たない主義で、殺人などには手を染めていません。できるだけ穏便に済ませようとする姿勢や、置かれている立場、いつ殺されるともわからない恐ろしいカルテルから抜けたいという心理など、ホルヘには共感できる要素があり、最も感情移入しやすいキャラになっていたのではないでしょうか。

私はエスコバルにも感情移入しましたが、流石にあの大悪党を「頑張れエスコバル!」と応援していたわけではなく、それに対してホルヘは応援し易さがありました。DEAがミゲル逮捕に失敗した時は、ホルヘの裏切りがバレて粛清されてしまうんじゃないかと冷や冷やし、「何やってんだよDEA~~!」ってなりました。最終話でペーニャ達とホルヘがパロマリを確保しに行った時も、ダビドに狙われているホルヘがひとりで車内に残されてしまって、「何でホルヘを一人にするんだよDEA~~!」って思わずにいられなかったです。危険だってわかってるのに、変装もさせてない上に護衛も残さずにホルヘをひとりにするって、ちょっと手落ちが過ぎるような気がしましたよDEA。人手不足だからでしょうか。

自分の居場所がDEAにバレたことでミゲルは内部に密告者がいることに気づき、ホルヘの部下であるエンリケに疑いが向けられるエピソードがありました。ホルヘはエンリケを守るために身を隠すように言いますが、結局見つかって拷問にかけられてしまいます。拷問にかけられたエンリケは、DEAの隠れ家を知っていたのにミゲル達には秘密にしていたホルヘこそが密告者であることを白状してしまいます。ミゲルやダビドから疑いの目が向けられたことで、ホルヘは最早エンリケを犯人に仕立て上げるしか道はありません。そうしなければ自分も家族も殺されてしまいます。

この場面は本当に辛かったですね。エンリケはホルヘを信頼していたし、ホルヘもエンリケを巻き込むつもりはなかったのに、段取りがいくつも崩れてしまったことで悲劇が起きてしまった。家族を守るために何の非もない部下に罪を擦りつけることにしたホルヘの選択は許されない非道だけど、もうどうしようもない状況でしたね。土壇場での彼の演技力や頭の回転の速さが凄かった。ホルヘはDEAと連絡を取り合っていたポケベルをどさくさに紛れてエンリケのポケットに忍ばせることで犯人に仕立て上げることに成功し、エンリケはホルヘこそが犯人だと叫びながら無残に殺されてしまいました。殺人には手を染めて来なかったホルヘですが、信頼する部下を死に追いやったことは、殺人を犯したことと同義でしょうね。エンリケが本当に可哀想でした。このエピソードは事実なんでしょうか、それともフィクションなんでしょうか。

最終的にホルヘが裏切者であることがミゲルにばれ、激高したミゲルに殺されかけるのですが、ギリギリでDEAが突入してきてホルヘは助かりました。めちゃくちゃ緊迫のシーンでしたが、DEAが突入してきてるって言うのにミゲルはホルヘを手間のかかるやり方で殺そうとしていたのがちょっと不思議でしたね。銃であっさり息の根を止めるより、窒息死でじわじわと苦しめたかったんですかね。あの流れはドラマ的なフィクションっぽいなぁと思いました。

あと、ナベガンテが謎にホルヘに友情を感じていたのが可愛かったです。ナベガンテ、一風変わったキャラでしたね。馴れ合わないようにしてたんですかね、一匹狼って感じでした。まあ、最期はホルヘに殺されてしまうのですが。

汚職に蝕まれた国家

カリの警察官や軍人なんかは軒並みカルテルに買収されていて、DEAの動きがカルテルに筒抜けなんですよね。カリに赴いたDEA捜査官のファイストルとヴァンネスにカルデロン大尉が協力してくれるんですが、もちろん彼も買収された人間でした。誰を信用していいかわからない、だけど現地の協力なしでは動けないって、捜査する側としてはめちゃくちゃやりにくいでしょうね。なんとか出し抜いてあと一歩で逮捕というところで買収された人間に妨害されて失敗というパターンもあり、自分がこの立場だったら発狂しそうです。

しかも、実はカリの警察や軍だけでなく、国防大臣や大統領までもが買収されていたことが明らかになります。エスコバルと対峙していたセサル・ガビリア大統領ではありません。新たに就任したサンペール大統領です。国のトップが麻薬カルテルに買収されてるなんて異常ですね。

せっかくロドリゲス兄弟の逮捕に成功したのに、汚職政治家が牛耳っているせいで彼らはすぐに無罪放免されてしまうのです。そんなことを許したくないペーニャは、国防大臣も大統領もカルテルに買収されていることを大使に訴えるわけですが、なんと大使はそんなこととっくに知っていたのです。つまり、アメリカ政府は、コロンビア大統領がカルテルから政治献金を受けて選挙に勝った事実を知りながら、見過ごすことにしたわけです。逮捕されたカリ・カルテルの幹部たちがさっさと無罪放免されてしまっても、黙認するってことですよね。その理由が私にはちょっとよくわからなかったんですけども、アメリカ政府にとってサンペールが大統領でいることが好都合だったってこと?大使は「サンペールは良き友人だ」って言ってましたけど。見過ごすってことは、アメリカ政府も汚いことに関わってたんでしょうね。よくわからないですけど、金絡みで色々利害が一致してたということかな。

汚職政治家と取引したことでパチョとチェペも自首する流れになり、なんだかんだヒルベルトの当初の計画通りになりました。カリ・カルテルの幹部全員が逮捕されたことは一見勝利に見えますが、仕組まれた茶番ということです。彼らはコロンビアの刑務所で快適に過ごし、そしてすぐ釈放されてしまう。それを阻止するため、ペーニャはカルテルの会計責任者であったパロマリをアメリカに逃亡させ、コロンビア政府とカルテルの関係を裁判所で証言させることにします。不正を見過ごすことにしたアメリカ政府の意向に逆らったってことですよね。

ペーニャはパロマリに証言させることに成功し、コロンビアの闇が明るみに出ました。アメリカ政府も立場を変えざるを得なくなります。しかし、それでも幹部たちが釈放される筋書きを変えることはできませんでした。理解の乏しい私には「え、なんでこれでもダメだったん?」という感じがしてしまったんですけども、政治は手強いですね~。自国の腐敗までをも感じたペーニャは、自身で新聞記者へ告発を行い、カリ・カルテル幹部は大統領に献金していたために訴追を免れたという真実が遂に報道されます。そしてアメリカがそれを許容していたことも明らかになりました。実際のペーニャはカリ・カルテルの件には関わっていないらしいので、この告発を行ったDEA捜査官は別に存在するということでしょうか。

ペーニャの告発後、大統領と密売人の癒着を裏付ける音声テープも流出し、ようやく幹部の早急な釈放という筋書きを変えることに成功しました。パチョとチェペの最期はドラマで描かれた通りのようですね。ロドリゲス兄弟はコロンビアからアメリカへ引き渡されることになり、事実、現在もアメリカの刑務所に収監されています。

カルテルもヤバイけど、汚職政治家のヤバさも相当なものだということがよくわかるエピソードでしたね。

カリ・カルテルが壊滅した後のコロンビアでは、カリ・カルテルのライバルだったバジェ北部が最大勢力となったそうですが、それもとっくに消滅しているようで。

最後に

これで『ナルコス』のコロンビア編は完結ですね。必見のドラマでした!引き続き、メキシコ編を視聴していきたいと思います。メキシコ編でもペーニャは出てくるんでしょうか。辞職を帳消しにされて、メキシコへ行ってくれみたいなニュアンスのこと言われてましたよね??

麻薬カルテルといったらメキシコが一番激しそうなイメージです。シーズン1でちょろっと話が出て来たキキ・カマレナ捜査官のことが詳しく描かれるんでしょうか。楽しみ…という表現で合ってるかわかりませんが、すごく気になっています。