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映画『Smile スマイル』ネタバレ感想:笑顔が怖い!ジャンプスケア系ホラー

映画『Smile スマイル』

映画『Smile スマイル』を視聴しました。監督であるパーカー・フィンが2020年に撮った『Laura Hasn’t Slept』という短編映画を長編映画化した作品になります。2022年のメジャーリーグの生中継で、観客席にいる不気味に微笑む人を映すというプロモーションが話題になり、気になっていた映画でした。カメラ目線で微動だにせずにめっちゃ微笑んでる不気味な人がいると、SNSで報告が相次いだというのです。発見した人は気味悪かったでしょうけど、なかなか面白いプロモーションですね。このプロモーションが絶賛され、興行成績も良かったようです。映画自体も楽しめました。大きな音で驚かしてくる系のホラーです。

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本ページの情報は2023年5月時点のものです。現在は配信終了している場合もありますので、最新の配信状況は各動画配信サービスの公式サイトにてご確認ください。

あらすじ

救急の精神科医であるローズは、ローラという患者に出会う。大学院生の彼女は、数日前に目の前で教授が自殺をするという経験をしていた。何かに酷く怯えた様子のローラは、人には見えないものが見え、”それ”はまるでマスクをかぶっているかのように自分の知る人の顔をしていて、そしていつも不気味に微笑んでいるのだと訴える。”それ”に殺されると取り乱すローラをローズは落ち着かせようとするが、ローラは床に倒れ込んで叫び始めてしまう。助けを呼んだローズは、先程まで苦しんでいたローラがいつのまに立ち上がって微笑んでいるのを見た。彼女の手には割れた花瓶の破片が握られている。ローラはローズに微笑みながら、その破片で自らの顔から喉にかけてをゆっくりと切り裂いた。

作品情報&予告動画

原題Smile
監督パーカー・フィン
脚本パーカー・フィン
原作パーカー・フィンによる短編映画『Laura Hasn’t Slept』
出演者ソシー・ベーコン
カイル・ガルナー

登場人物&キャスト

ローズ・コッター

救急の精神科医。ローラという患者が自分の目の前で自殺をしてから、彼女が訴えていた霊的現象と同じことが自分の身にも起き始め、恋人や家族からは信じてもらえず、精神的に追い詰められていきます。幼い頃に母親が自殺したというトラウマを抱えています。演じているのはソシー・ベーコン。ケビン・ベーコンの娘さんです。『ナルコス:メキシコ編』や『13の理由』にも出演していましたね。

ジョエル

警官でローズの元恋人。ローズの目の前で患者が自殺をした事件の聴取でローズと再会し、彼女を気に掛けます。演じているのはカイル・ガルナー。

ローラ・ウィーヴァー

大学院生。数日前に教授の自殺を目撃してから不可解な現象に悩まされ、ローズのカウンセリングを受けました。その最中に、ローズの目の前で微笑みながら自殺をしてしまいます。演じているのはケイトリン・ステイシー。

トレヴァー

ローズの婚約者。同棲しています。演じているのはジェシー・T・アッシャー。

ホーリー

ローズの姉で主婦。姉妹仲はあまり良くありません。演じているのはジリアン・レイサー。

マデリーン・ノースコット

ローズのかつてのセラピスト。演じているのはロビン・ワイガート。

ネタバレ感想

戦慄の笑顔!自殺を目撃することで呪われる

大学院生のローラは数日前に教授の自殺を目撃して以来、他者には見えない霊のような邪悪な存在に悩まされるようになり、精神科医であるローズのカウンセリングを受けにやって来ました。ローラが言うには、その存在は知り合いの顔をしていて、常に不気味に微笑んでおり、「お前は死ぬ」などと脅してくるのだそう。ローズは教授の自死を目撃したトラウマによる幻覚だと考えますが、ローラは幻覚ではないと必死に訴えます。そして、ローラは”それ”が目の前にいるかのように怯え始め、倒れてしまいます。ローズは急いで助けを呼ぶのですが、視線をローラに戻すと彼女はいつの間にか立ち上がり、ローズに向かって不気味に微笑んでいました。その手には割れた花瓶の破片が握られていて、ローラは微笑みながら自分の喉を切り裂いて自殺してしまいます。

ローラの自殺を目撃して以来、ローズはローラが訴えていた同じ現象に悩まされるようになります。他の人には見えないものを見たり聞いたりするせいで奇行と思われる言動をしてしまい、上司からは休みを言い渡され、恋人や姉からは精神を病んでいると思われてしまいます。自分の身に起きていることを打ち明けても理解してもらえず、ローズはどんどん追い詰められていきますが、ローラが自殺を目撃した教授も自死する数日前に他人の自殺を目撃していたことを知ります。しかも、その教授も自殺を目撃した後に不気味な笑みを浮かべる存在を目撃するようになり、その絵を大量に描き残していました。

その後ローズは警察官である元恋人・ジョエルの助けを借り、教授が目撃した自殺者も人の自殺を目撃しており、その人もまた別の自殺を目撃しており…と、自殺を目撃した人の自殺が連鎖していることを突き止めました。防犯カメラを確認すると、自殺者はローラ同様不気味な微笑みを湛えていたのです。

とまあ、主人公ローズに突如としてふりかかった呪いのカラクリは映画『リング』を彷彿とさせるものでした。呪いと言うか、悪魔的な存在に取り憑かれるという感じでしょうか。その存在に取り憑かれた人が自殺し、今度はその自殺を目撃した人に”それ”が取り憑くのです。しかも、”それ”に取り憑かれた人が見る幻覚が悉く不気味な笑みを浮かべていて、最終的にその人自身も自殺を行う時に不気味な笑みを浮かべるのです。映画のタイトルにある通り、その笑顔こそがこの映画の最大の魅力であり恐怖ポイントでもあります。

通常、笑顔にはポジティブなイメージを持っていると思います。正の感情ですよね。笑顔溢れる、なんて言葉が使われるととても幸せそうな情景を思い浮かべるでしょう。でも、笑顔を見ても「目が笑ってない」と感じたりするように、笑顔に不信感や恐怖を感じることも少なからずあるのです。この映画は、笑顔から受ける負の感情をよく活かしていると思います。彼らが浮かべる笑顔が本当に不気味で怖い。笑顔の持つ楽しさや幸せを一切感じさせません。俳優さんの演技力も凄いです。静止画かと思うほど、笑顔がピタッと張り付いて動かないんですもん。

患者であるカールがローズに向かって笑いながら「お前は死ぬ」と何度も連呼するシーンがありましたが、笑いながら怒る竹中直人さんを思い出してしまいました。そのせいでちょっとクスッときてしまったのですが、状況や言動にそぐわない笑顔を見るのって違和感が凄くて不愉快だし不気味なんですね。この映画、ビクッとさせられるのは急に大きな音で脅かしてくるようなシーンではあるんですが、一番怖いのは笑顔なのです。また、セキュリティ会社からの電話のシーンなんかもめっちゃ怖かったですね。ゾクッとしました。ジャンプスケア系ホラーですけど、印象に残る怖いシーンはジャンプスケアではないシーンが多かったです。

呪いに抵抗するローズ

自殺目撃者の自殺が連鎖する中、ただ一人、ロバート・タリーという男性だけが自殺を目撃した後も死を免れていました。呪われた人間はみな4日~1週間以内に自殺しており、ローズに残された時間も迫っていました。ロバートは殺人罪で服役していたため、ローズとジョエルは刑務所を訪れて彼の話を聞きます。曰く、”それ”はトラウマを餌にしていて、自殺を目撃させてトラウマを植え付けることで次々と人間に取り憑いているのです。そして、この呪いから逃れるには、トラウマになるような残忍な殺し方で誰かの目の前で誰かを殺害するしかないことが判明しました。

しかし、ローズは自分が助かるための殺人を拒否し、”それ”の次の餌となってしまう人間を寄せ付けないために一人になることを決めます。ローズには長年抱えていた幼少期のトラウマがありました。精神を病んでいた母親がオーバードーズをし、ローズはその死の発見者でした。そのトラウマと対峙するため、ローズは荒廃した生家に一人閉じこもります。すると”それ”はローズに母親の幻覚を見せ、彼女が抱えたトラウマの真実が明らかになります。オーバードーズした母はローズに助けを求めていたのですが、ローズが助けなかったために死んでしまったのでした。母の姿をした”それ”は笑顔を浮かべた不気味な化け物のような姿へと変貌してローズを追い詰めていきますが、ローズはオイルランプを投げつけて家ごと燃やし、燃え盛る生家から逃げ出したのでした。

過去のトラウマを克服し、”それ”を撃退したローズはジョエルの家へと戻ります。怪現象に悩まされるようになった自分を唯一狂人扱いせず力になってくれたジョエルの元で安堵するのですが、彼は「ずっと一緒だ」と不気味な笑みを浮かべました。なんとジョエルは幻覚で、ローズは燃えてなどいない生家にまだいたのです。マスクを外して本当の姿を現した”それ”は、絶叫するローズの大きく開いた口から彼女の中へと入り込み、体を乗っ取ったのでした。そこに、ローズを心配した本当のジョエルが乗り込んできます。彼が見たのは、不気味に微笑みながら火を放つローズの姿だったのでした。

と、救われたように見せかけてのバッドエンドでしたね。霊なのか悪魔なのか、その正体は最後まではっきりしませんでしたが、ローズは”それ”の手口には乗らず、次の犠牲者となる目撃者を用意させないという行動に出たわけです。自分に死が迫っている状況で冷静な判断ができて頭がいいなと感心しました。”それ”に打ち勝つために過去のトラウマと対峙することになり、トラウマ克服ストーリーになったのかと思いきや、結局”それ”からは逃れられずローズは自殺してしまうのですが。機転を利かせたローズの勝利かと思ったので、ジョエルが微笑んだ時には私も結構な絶望を味わいました。

いつも知人のマスクをかぶって微笑んでいる”それ”がマスクを脱いだ時の姿は中々気持ち悪いクリーチャーでしたが、衝撃だったのは”それ”が人を乗っ取る瞬間でしたね。まさか口から入ってくるとは思いませんでした。最初の方でローラが「あいつが私の中に入ってくる!」みたいな感じで怯えてたような記憶があるのですが(違ったらすみません)、なんかこう、霊的にスーッと取り憑かれる感じなのかと思ってたら、めっちゃ物理的に侵入してきたので驚愕です。口から入る絵面が面白く見えてしまったためこっちの顔がスマイルしてしまいました。あのシーンは賛否というか好みは分かれそうですね。

せっかくローズが機転を利かせて一人になったんだからジョエル追って来るなよ…と思わなくもないですが、ローズは乗っ取られてしまったので、ジョエルが来なくても次の獲物を探しに行ってそこで自殺をするのでしょう。あの存在が強いというより、人の死のような強烈なトラウマを克服するのは至難である、と感じました。トラウマを乗り越えることは強く美しいですが、やはりそう簡単にはいかないことです。

追い詰められることで嫌な面が露呈する生々しさ

ローズの姉ホーリーは医者として忙しくしているローズに劣等感のようなものを感じているようでしたね。その上、失礼で厚かましい性格をしていました。嫌な姉だなと思ってましたが、主婦であるホーリーに対してローズが「狭い世界で生きてる」のような、本心では主婦を見下してることがバレるような発言をしていました。誰からも自分の身に起きていることを理解してもらえず、精神病扱いされ、余裕がなくなってローズの嫌な面が露呈した感じでした。

ローズは精神科医ですからプロですし、「私のは病気とは違う」と思ってるでしょうけど、幻覚って精神病患者には本当にそれが見えたり聞こえたりしているわけで、なんというか、素人的には同質に思えてしまいました。だから周りの人がローズを精神病だと考えるのは仕方ないと思ってしまったし、彼らの接し方や扱い方で彼女が追い詰められていく様子は精神病患者の方が体験することと同じなのではないかなと感じました。あからさまに引いてる感じとか伝わってくると辛いですよね。

そして、ローズは誰も殺さない選択をしましたが、殺す幻覚は見ました。ローズが殺す相手に選ぶのは、自分の順調な将来のことしか考えてなかった婚約者トレヴァーか、はたまた厚かましく嫌味な性格で仲も良くなかった姉ホーリーか、なんて考えていたのですが、選ばれたのは患者のカールでした。ここ、結構エグイなぁと思うのです。殺すならカールだという意識がローズにあったと受け取れるから。

カールは難しい患者だったかもしれませんが、彼女を追い詰めたり傷つけたりしたわけではないのに。個人的な恨みとか好き嫌いで選んだ感じではなく、カールが死ぬのが社会的に一番ダメージが少ないとでもいうような、そんな計算に思えたのです。カールがどんな人かは全く描かれてなくて面会に来る家族等がいたのかもわかりませんが、幼い子供がいる母親や仕事で成功を収めている若い男が死ぬより、精神を病んだ可哀想で弱そうな人が死ぬ方がまだマシ、そんな思考があるように思えちゃったんですよね。

追い詰められた人の本心や軽んじてるものがポロっと出てくる感じが生々しくて、ある意味それも怖かったです。

最後に

エンドロールに『ロリポップ』が流れて笑いました。合ってるような合ってないような。

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