『ストレンジャー・シングス』シーズン4後半ネタバレ感想:再会と別れ

Netflixの大人気ドラマ『ストレンジャー・シングス』シーズン4の後半2エピソードが配信されたので視聴しました。8話が85分、9話は150分と、ボリュームたっぷりでしたね。シーズン5で完結が決定してるので、いよいよ物語も大詰めになってきた感じがあります。しかし後半、色々情緒がやばかったです。そして今これ書いてて気づきましたが、前半の記事であらすじ書くの忘れてましたね。まあ、いいや(笑)。
あらすじ
ヴェクナによって未来のホーキンスの惨状を見せられたナンシーは、ヴェクナを殺すべく、準備を整えて再び裏側の世界へ向かうことを提案する。一方、能力を使ってホーキンスの友人たちの危機を知ったエルはホーキンスに戻ろうとするが、パパに反対されてしまう。そこに、エルがことの元凶だと考えている軍が研究所を攻撃し始めた。
ネタバレ感想
マインド・フレイヤーの正体
研究所虐殺事件でエルに裏側の世界へ落とされたヘンリーはその世界を探索し、空に渦巻く巨大な黒い塵を見つけます。ヘンリーはその黒い塵を、自分が本来なりたかった捕食者である蜘蛛の姿に形作りました。それが、マインド・フレイヤーです。つまり、今までホーキンスに起きたことは全部、最初からヘンリーの仕業だったわけです。
マインド・フレイヤーの正体はヘンリー、と言ってしまっていいのかはちょっとわかりません。ウィルがワンの存在を感じ取っているので、マインド・フレイヤーはワン(ヘンリー)だったと言って良さそうな気がしますが、そもそもあの黒い塵が何なのか、あれは生物なのか、あれ自体に意志や力があるのか、よくわからないんですよね。ジョイスが黒い塵について”生きてる”と表現してるのも気になります。
また、ヘンリーは塵を見て「無限の可能性を感じた」「これで自分の潜在能力を具現化できる」と言っています。ソ連の研究所では、あの黒い塵がタンクに入っていたデモゴルゴンたちに入り込んで暴れ出しました。デモゴルゴンなんかがハイブ・マインドを有しているのは、あの黒い塵のせいっぽいですよね。ウィルも黒い塵を取り込んでマインド・フレイヤーの手先になりましたから、裏側の世界の生物であるデモゴルゴンたちも黒い塵を介してマインド・フレイヤー(ヘンリー)に操られてるのでしょうか?自分の潜在能力を具現化できるというのは、黒い塵を使えば他の生物を操れるってことなのでしょうか?
ロビンがヴェクナ/ヘンリー/ワンって呼ぶのめっちゃ笑ったんですけど、呼び名にマインド・フレイヤーも追加されるんですかね?(笑)ちゃんといちいちスラッシュを言ってるのが可愛くて、緊迫したシーンなのに笑かしてくれるのがロビンの良いところです。名前がたくさんあるネタは、ちょっとだけ『ゲーム・オブ・スローンズ』のデナーリスのことを連想しました。あと、ホッパーが「死ぬのは今日じゃない」(”not today”)って言ったのもゲースロ好きとしては反応しちゃいました。エンゾが言ってたら完璧だったけど、流石に狙いすぎになっちゃうかな。
前半の記事で、マインド・フレイヤーとヴェクナの関係やヴェクナがアンデッドであることについてちょこっと触れましたが、色々的外れでしたね。
ウィルの想い
今回、一番胸にグッと来たの、8話でウィルがマイクを励ますシーンかもしれません。自分が描いた絵を見せながら、エルに嫌われるのが怖くて本心を口にできないマイクを励ますところです。「君はハートなんだ、特にエルにとって君は特別なんだ」って、エルの気持ちを一生懸命代弁してマイクに伝えているのですが、これはウィルも同じようにマイクのことを想っているからなんだろうなって、すごくすごく伝わってきました。ウィルはマイクが好きなんだと思います。
「あまりにも周りと違うと、自分のことが出来損ないに思える」とエルの気持ちを表現していますが、これこそがウィル自身の悩みなのでしょう。ずっとD&Dで遊んでいた親友たちがそれぞれ女の子に恋をしていく中で自分だけが変わらないこと、みんなとは恋愛対象が違うこと、とても怖くて苦しいのではないでしょうか。ウィルの気持ちを考えると胸が詰まってしまいます。マイクに本当の自分を知られたら嫌われてしまうかもと思っているはずです。男女間でも、恋愛的な好意を抱いていると悟られたら友情が壊れてしまいそうで怖いというのはあることですよね。同性愛だけで起こる問題ではありませんが、抱える不安や恐怖はより強いのではないかと想像しています。
ジョナサンがウィルの様子を見て色々察したらしく、「何があっても味方だ、愛してる」って言ってくれたの、本当に良いお兄ちゃんだなぁと思いました。シーズンが進むごとに見せ場があんまりなくなってしまった印象のジョナサンでしたが、ウィルとのエピソードは心温まりました。ジョナサンの影が薄くなっちゃったの、濃すぎるキャラが続々と出てきたからでしょうね…。あと、スティーブが良すぎる。
それにしても、誰より仲間たちとD&Dをするのが好きだったウィルがD&Dを手放して、新しい高校でもプレイする仲間がいなさそうなのが寂しいですね。マイクたちはヘルファイア・クラブに入部してプレイしているのに。ただ、ウィルが手放したD&Dがたぶんエリカに渡って、エリカはめちゃ強プレイヤーになったっぽいですから、そのへん繋がってるのが嬉しいですね。ホーキンスに帰って来たウィルが、またみんなとD&Dできるといいなぁ。ウィルってマインド・フレイヤーの存在を感じ取れるし、裏側の世界のものを体内に取り込んじゃったことがあるし、何か悪いことが起きないといいけど…。それにしても、D&Dがどういうゲームなのか未だにイマイチ理解できません。
ヴェクナ討伐作戦
裏側の世界へ行ったヘンリーは誰かが扉を開けるのをずっと待っていました。デモゴルゴンと接触したエルが一度開けましたが、彼女は閉じてしまったので、今度はヘンリー自ら開けることにしたのです。ホーキンスに4つのゲートを開くため、4人の犠牲者が必要でした。そして、あと一人の犠牲で、4つ目のゲートが開いてしまうのです。
そこで、ナンシーたちは裏側の世界へ再び行って、意識を飛ばしている状態の無防備なヴェクナを殺す作戦を立てました。まだヴェクナに狙われているマックスが表側のホーキンスで囮となり、裏側の世界からマックスを殺そうと意識を飛ばしているヴェクナをナンシー、スティーブ、ロビンが殺しに向かうのです。
作戦を知ったエルも遠く離れた地から超能力でマックスを守ろうとヴェクナに対峙するのですが、負けてしまいます。そして、マックスはヴェクナによって手足を折られ、ルーカスの腕の中で絶命してしまいました。ナンシーたちは裏側の世界でヴェクナをフランベすることに成功しますが、マックスの死によって最後のゲートが開き、ホーキンスの町は物凄い地割れによって滅茶苦茶になってしまいました。エルは力を使ってマックスを死から甦らせますが、彼女の意識は病院で目覚めぬままとなります。
まさか、マックスがこんな目に遭うなんて想像してませんでした。腕があらぬ方向に折れちゃった時、うそうそ!?ってすごい焦りましたよ。ま、まあ腕一本くらいなら…なんて思ってたらどんどん折れてくし、あの可愛いマックスが目が潰れて顎が歪んだ死を迎えるのかと気が気じゃありませんでした。目は潰れずに済んだし顎も歪まずに済んだけれど、死んじゃって茫然としましたね。ルーカスの必死の呼びかけも胸が張り裂けました。まあ、エルが蘇生させてくれましたが…。最初、超能力で蘇生はちょっと冷めるなぁと感じたのですが、D&DというファンタジーRPGがベースにあるので、蘇生魔法的な力があるのも当然かと思い直しました。
それにしてもマックス、視力は大丈夫なのかな。失明しちゃってないか心配です。彼女が、ビリーのことを憎んでいて死を願っていたこと、そんな自分が許せなかったこと、そういう複雑な気持ちにとても共感しました。ビリーはそう思われて仕方ない奴でしたけど、どんな酷い人間であっても身近にいる人に対して死を願ってしまうのは、自己嫌悪に陥ってしんどいと思うのです。
ジェイソンのせいでマックスのヘッドフォンが壊れ、そばにいたのにマックスを守ることができなかったルーカスはほんと辛いでしょうね。前半の記事で、真相を知ったジェイソンがどういうキャラになるのか気になるなんて書いてましたが、彼は地割れに巻き込まれて体が真っ二つになって死んじゃいました。
エディ最高
ダスティンとエディは、ナンシー達がヴェクナを倒しに行く間、コウモリを引きつける役目を担いました。コウモリを自分たちの方へ呼び寄せるためにエディがギター演奏したのは、メタリカの”Master of Puppets”という曲だそうです。カッコよかったですね、エディ。
エディが事件の容疑者にされて、みんなはエディの無実を証明しようとヴェクナを追ってましたが、住民や警察の知らぬところでひっそりとヴェクナを退治したところでエディの疑いは晴れないでしょ…とずっと思っていました。どう潔白を証明する流れになるのか気になっていたのですが、まさか死んでしまうとは…。てっきりS5も出てくると思ってたので本当にショックです。
エディは心配するスティーブに「俺たちを見ろよ、英雄には程遠い」なんて言ってましたけど、ダスティンを守り、スティーブたちの方にコウモリが行ってしまわないように一人で引き付け続け、逃げずに戦いました。みんなで武器作ってる時、エディはダスティンに「もう二度と退却はしない」って宣言してるんですよね。この時はおふざけで言ってるんでしょうけれど、それを有言実行したんです。高校卒業からもずっと逃げていて、クリッシーが死亡した時もその場から逃げてしまったエディが、ホーキンスの危機のために逃げずに戦ったんです。エディは最高にかっこいい。
ダスティンがマンソンさんにエディのことを話すシーンも泣け過ぎてヤバかったです。自分を嫌ってる町を守るために死んだんだって、英雄だって、本当のエディを全部ダスティンが見てくれていてわかってくれていることが心から救いになったし、みんなにも知って欲しかった、きっと彼を好きになるはずだってことも心から同意しましたね。エディとダスティンの関係が素敵すぎました。ダスティンはスティーブといいエディといい、いい関係を築きますね。この二人から信頼されて可愛がられるポジションが羨ましいです。
スティーブとエディにもいい感じの友情が芽生え始めていたので、エディの死に対するスティーブの反応もちょっと見たかったなぁと思いました。スティーブ、同い年くらいの同性の親友が今いないから、エディともっと一緒にいる時間があればよかったのに…。エル、エディのことも生き返らせて欲しい。
最後に
バラバラだったみんながホーキンスで再会し、S5がヴェクナ/ヘンリー/ワンとの最終決戦になるんでしょうかね。なんだかまた死んでしまうメンバーが出てきそうな気がして戦々恐々としてしまいます。最初の頃はエルがただ一人のヒーローって感じでしたけど、今やみんながヒーローですね。特別な力がなくたって、みんな自分のできる限りの戦いをしています。ホッパーがRPG風の剣を使いだしたのはちょっと笑っちゃったんですけど。どうしてあんな剣があったの?
そして、スティーブが思ってた以上にナンシーのことを好いていてびっくりしました。君の恋は応援したいけど、ナンシーはやめてほしいんじゃあ…!