『ウエストワールド』シーズン1 第2話『迷路』ネタバレ感想:現実と虚構の邂逅の始まり

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『ウエストワールド』シーズン1第2話の感想やっていきましょう。虫も殺せないはずのドロレスがハエを叩き殺して終わった1話。今回はさらに新しい登場人物が増え、物語は少しずつ複雑になっていきます。原題は『Chestnut』になります。意味は「クリ」「栗毛」「栗毛の馬」です。邦題と全然違いますね。
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ネタバレ感想
パークを訪れる新たな登場人物
ウィリアム(愛称ビリー)とローガンという二人組の男性がウエストワールドを訪れます。ウィリアムがパークを訪れるのは初めてですが、ローガンは来た事があります。紳士で優しくてお堅いウィリアムに対して、ローガンは自由で奔放で冷酷です。到着ターミナルに降り立ち、美しい女性ホストに案内されてフィッティングルームに通されたウィリアム。ウィリアムには目の前の美しい女性が人間なのかホストなのか見分けがつきません。女性ホストがウィリアムを誘惑しますが、ウィリアムは友達が待ってるからと言って断ります。ゲストは、気に入ったならこの出迎えてくれたホストとここで楽しんでもいいのです。ウィリアムを出迎えてくれたこのホストさん、ものすごい色気があって肩のほっそりしたラインとか美しくてたまらんです。こんな魅力的な女性ホストからのお誘いも丁重にお断りするんですから、ウィリアムは紳士ですよね。
ウィリアムは、自分のサイズに合わせて用意された衣装の中から好きなものを選んで着替え、最後に白のハットか黒のハットを選ぶよう言われ、白のハットを被って先の扉へと進んでいきます。それまで真っ白で未来的な建物だったのに、扉の先はそれまでと雰囲気が全く異なるバーでした。そこで黒のハットを被ったローガンと落ち合います。突然部屋が揺れ始め、電車が走る音が鳴り響き、窓の外には雄大な自然が流れ始めます。そこは、スウィートウォーターに到着する電車の車内だったのです。ローガンは、その景色に息を呑むウィリアムに囁きます。「お前は必ずここに魅了され、”残りたい”と懇願するぞ。この場所こそ、お前が抱き続けてる『自分が何者か』という疑問の答えだ」と。そして、「本当のお前に会ってみたい」と笑いました。
性格はおいておいて、お顔はローガンが好みです(聞いてない)。とってもイケメンですよね。重ね重ね性格は残念ですが。
エルシーの懸念
エルシーはピーター・アバナシーの問題について考えています。ピーターが暴走した原因が写真ならその場で反応がでるはずなのに、彼は問題を家に持ち帰り熟考していることを、エルシーは疑問に思います。彼の認知機能に問題があるとバーナードに訴え再構築をさせてくれるよう頼みますが、バーナードは眠らせておけといって取り合いません。エルシーは、ピーターの不具合は「伝染するかも」と言います。まるで病気のような言い方ですね。結局、バーナードはエルシーの言葉を聞き入れませんでした。
いつものように酒場の前に姿を現すドロレス。突然、頭の中で「覚えておけ」という声がします。そして後ろを振り返ると、道に転がるたくさんのホストの死体と、悲鳴。過去の記憶でしょうか。ドロレスの表情は険しく冷たく、怖いです。隣で咳払いが聞こえ意識が現実に戻ると、娼館の女主人メイヴが迷惑そうにしていました。ドロレスはメイヴに「激しい喜びは激しい破滅を伴う」とだけ告げて去っていきました。ドロレスがピーターから告げられた言葉ですね。
オッカムの剃刀
ピーターの異常について考えているバーナードに、フォードが「オッカムの剃刀」という言葉をかけます。これは、「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」という指針です。スコラ哲学者で修道士のオッカムが多用した法則だそうです。要は「シンプルに考えろ」ということですね。バーナードが「誰かが自分たちの創造物(ホスト)を操作している」と「単純に考えた」ために、フォードが「それはオッカムの剃刀だな」と言っているのです。つまりフォードはバーナードの考えを否定していますね。「我々がしていることは複雑だ」と。フォードは明確に「生命」を創っていると言っています。ホストが外部から操作されているわけではないのなら、内側からの作用によるものということになり、つまり自らの意志があるということですよね…?
ドロレスを診断するバーナード
バーナードがドロレスを診断していますが、何だかいつもと様子が異なります。周りの景色も、二人の様子も。何か二人だけの秘密があるような会話ですし、この診断は秘密裏に行われているようでした。しかし、「バーナード怪しい」以外に何もわかりません。
そしてびっくりしたのが、バーナードとテレサが付き合っているということですね。仲が悪いと思っていましたから、全く予想してませんでした。バーナードは、ゲストがいなくてもずっとおしゃべりしているホストについて、会話を通して人間に近づけるように練習しているんだと答えました。
迷路を探す黒服の男
ローレンスという男が処刑される場面に姿を現した黒服の男。処刑人たちを一掃し、ローレンスを助けます。黒服の男はローレンスにキッシーの頭皮を渡し、「入り口を見つけたい」と言います。「知らない」と答えるローレンスに縄をかけ、引きずって連れて行ってしまいます。黒服の男はローレンスのことをよく知っていると言います。「”亡霊の国(ゴーストネイション)”の勇士を二人で追跡したよな」と思い出話をしますが、ローレンスは覚えていません。ローレンスが連れてこられたのは自身の古郷でした。ローレンスの娘と妻が駆け寄ってきます。黒服はローレンスのことをよく知っていましたが、彼に家族がいたことはキッシーから聞き出すまで知りませんでした。「こういう秘密があるから楽しい 何年過ごしていても気づかなかった細部がある」と言います。黒服の男は、現実世界よりもこの虚構の世界に魅せられてしまってるのです。迷宮の入り口について口を割らないローレンスに、黒服の男は彼の従弟達や妻を次々と殺害します。
それでもローレンスは「知らない」としか答えません。すると、ローレンスに泣きついていた娘がおもむろに顔を上げ、「あなた用の迷路じゃない」と言います。苦しみが、隠されている別のレベルを発現させるトリガーであるようです。娘は「蛇が卵を産む血の峡谷を辿れ」と告げ、黒服の男は再びローレンスを引き連れて旅立つのでした。
迷路が何なのか、黒服の男は迷路の存在をどこで知り、情報の手掛かりをどこで手に入れたのか、なぜ迷路を求めているのかさっぱりわからないので、黒服の男のパートはちょっと難しいですね。とにかく起こってることを「ほーお?」と見てるしかなくて。
フォードと少年
フォードがパークを歩いていると、ひとりの少年に出会います。退屈で家族と離れてひとり散策してるような雰囲気です。二人は一緒に散歩に出ます。
フォードはある場所を探していました。「何もない場所」と呼ばれる場所です。そこは一見本当に何もない荒涼とした大地でしたが、フォードは「よく見れば白い教会のある町が見つかる」と言いました。そしてフォードは砂に埋もれた教会の尖塔を見つけます。フォードが少年にもう帰るように言うと、少年の顔から表情が消え、ゆっくりと立ち去っていきました。少年はホストだったのです。
ホストが見る夢
娼館の女主人メイヴは、娼館を訪れるゲストに夢の話をするようプログラムされています。しかしドロレスと会った後、ゲストに語っている途中で、自分がどこかでネイティブアメリカンに襲われている幻覚を見ます。そして言葉に詰まってしまいました。シナリオ部はメイヴを回収し、ゲストの性的興奮をもっと煽るために攻撃性を増大させます。能力が戻らなければ廃棄することにしてパークに戻しました。同じ台詞を、よりアグレッシヴに表現するようになったメイヴ。ここら辺の演技の仕方の違い、見ていて面白かったです。俳優さん凄いですね。攻撃的過ぎて、ゲストは引いてしまいましたが。
能力が落ち続けているから廃棄すると品質部に言われてしまったメイヴを、矯正部のエルシーが診断をします。彼女はホストに愛着があるように見えますね。廃棄されたくないため、わざわざこうして診断してるのでしょうし。エルシーが言うには、ホストが見る夢は主に記憶だそうです。ゲストに酷いことをされる記憶が残っていれば大惨事で、修理時に記憶を消し忘れた時のために夢の概念を与えたそうです。夢を見るんだとしたら、それは修理係が記憶を消し忘れたからだと言います。エルシーは診断を終え、メイヴを園に戻しました。
夜、眠ろうとするメイヴは身体に違和感を覚えます。彼女は夢の中で、娘と思しき小さな女の子と幸せそうに暮らしていました。しかしネイティブアメリカンに襲われ、メイヴは娘を連れて納屋へ逃げ込み銃を取ります。迫り来るネイティブアメリカンを待ち構えますが、扉を開けて現れたのは黒服の男でした。
ホストの夢は過去の記憶です。ということは、メイヴの見た夢は過去のできごとです。彼女は娼婦になる前は娘のいるお母さんの役で、ネイティブアメリカンに襲われてしまうストーリーだったのでしょう。そしてその時に、黒服の男に会っていたということでしょうか。それでは、メイヴが夢を見たのは記憶を消し忘れられたから?きっと、エルシーがぽろっと零したように「伝染」したのです。ピーターがドロレスに告げ、ドロレスがメイヴに告げた「激しい喜びは激しい破滅を伴う」という言葉が目覚めのトリガーなんだと思います。レヴェリーによって過去の記憶にアクセスできるようになっているホスト達を目覚めさせるためのトリガーです。
修理中に目を覚ましてしまうメイヴ
悪夢から目覚めたメイヴは、腹部の違和感の原因を二人の男性スタッフに調べられているところでした。修理中に目を開いたメイヴに二人は慌てます。素っ裸で腹を開かれているメイヴは起き上がり、メスを手にして二人から離れ部屋を飛び出していき、デロスの建物の中を歩き回ります。そして在庫管理部のフロアにたどり着き、たくさんのホスト達の死体と作業服を着てホスト達を洗浄したり運んだりしているデロスの人間を目撃してしまいます。ホストの死体の中には、先ほど酒場で殺されたテディの姿もありました。呆然としていたところを、修理していた二人に捕まり注射を打たれて連れ戻されました。
あんな素っ裸でうろついて誰にも目撃されないってのはちょっと納得できないんですけど、いよいよ現実と虚構が交わってきましたね。ホストは生き物を傷つけることができないのだから、取り押さえたりしないんですかね。やっぱり、いざ実際に刃物を向けられたら怖いでしょうか。予想外に目を覚まされてるわけですし。
農場に埋められていた銃
夜中に目を覚ましたドロレスは、険しい顔つきで庭に出ます。周囲に誰もいないのに、「ここ?」と聞きます。頭の中の誰かと会話しているのでしょうか。手でその場所を掘り返すと、銃が出てきました。だいぶ前に埋められたような感じがあります。一体誰が何のためにこんなところに銃を埋めたのでしょうか…。
新プロットのお披露目
リー・サイズモアが新しい物語をフォードやテレサ達の前で披露しています。新しく制作したホスト達を並べ、自信満々のリー。しかしフォードは微笑を湛えて「ダメだ」と一蹴します。酷評されてしまうリー。テレサにも散々なこと言われていましたし、いい奴ではないけどなんかリーって憎めない感じがあって好きです。俳優さんの話し方とかからも小物感がすごくよく出てて、良いですよね。「目の間にペニスを突っ込んだみたい」とかいう表現にも笑っちゃいましたし。フォードは、安直で安っぽいシナリオではなく、細部が大事なのだと言います。「自分だけが気づいたと思える細部を発見するからまたここを訪れる」と。これは、黒服の男が言っていたことそのままですね。あいつはまんまとフォードの狙いにはまっているわけです。「別の自分を体験したくてここに来る」と言うフォード。そして、フォードの語る言葉を暗示しているようにウィリアムとドロレスが出逢うのです。『自分が何者か』に主軸をおいたのはリーだけでなく、ローガンも似たようなことを冒頭で言っていましたね。小物は『自分が何者か』に拘ると言いたげです(笑)
リーのプロットを潰したフォードは、代わりに自分の案を使おうとします。あの砂に埋もれていた教会を舞台にしたプロットのようです。
最後に
黒服の男とかバーナードとドロレスの関係とか謎は多くありますが、すこーしずつ物語が動いていますね。フォードの台詞は哲学的すぎて1回見ただけじゃ難しすぎてわからないのですよね。2回目でも「?」ってなりますし。脚本はジョナサン・ノーランだということを念頭において、彼の作品の特徴を踏まえて注意して見ていくと、早めに謎がわかったりするかもしれませんね…。
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