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『メタファー:リファンタジオ』プレイ感想

『メタファー:リファンタジオ』

2024年に発売されたアトラスのRPG『メタファー:リファンタジオ』をプレイしました。周回要素もあるみたいですが、とりあえず1周目クリアして満足したので、感想を記録しておきます。

”「ペルソナ3」「ペルソナ4」「ペルソナ5」のクリエイターが贈る全てのRPGファンのための完全新作ファンタジーRPG!”というのが謳い文句になっていますが、私はペルソナシリーズをプレイしたことがなく全く知らないので、ペルソナシリーズとの比較とかはできません。バトルシステムとか似てるのかな?

製品情報&トレーラー

タイトルメタファー:リファンタジオ
開発・発売アトラス スタジオ・ゼロ
発売日2024年10月11日
ディレクター橋野桂
デザイナー秋本康洋
シナリオ田中裕一郎
プログラマー古坂雄二郎
音楽目黒将司
キャラクターデザイン副島成記

ネタバレ感想

まず、私はメタファーの無料体験版をプレイして、「これは面白い!続きが気になる!」と思ったので製品版を購入しました。体験版でプレイできるのは物語の導入部分なんですけど、これが結構なボリュームでした。体験版で数日楽しめるぐらい。メタファーが気になってる人もなってない人も、体験版プレイしてみるのがおすすめです。

さて、1周目プレイした感想としては、ツッコミどころはありつつも序盤~中盤ぐらいまではめちゃくちゃ面白く感じてて、最後になってちょっと「あー、ここちょっとイマイチだな」と感じる部分が出てくることがありました。概ね楽しくプレイしたわけですが、最後になってちょっと気持ちが盛り下がったせいか、2周目はしなくてもいいかなあ、となってしまったのが残念でした。時間をおいたらまたやりたくなる気がしますが!

良かったなと思った部分から書いていきます。

キャラクターがみんな個性的で愛せる

仲間キャラも支援キャラも敵キャラも、老若男女、全員ビジュアルから性格まですごくキャラが立ってました

キャラクターデザインを担当されている副島成記さんはペルソナシリーズでもキャラデザを手掛けているようですが、とても魅力的なイラストを描かれるんですね。みんな美しいし可愛いしカッコ良いし、顔グラ見るたびに見惚れちゃいました。逆に、アニメーションムービーのクオリティがちょっと物足りなく感じちゃいましたね。

キャラデザが良いだけでなく、個性も光ってました。

このゲーム、ストロールが影の主人公といっても過言じゃないくらい、芯のある中心的存在だったなあと思います。主人公はわりと自我薄めに設定されてるから、その分ストロールがこっちの気持ちを代弁してくれた気がします。主人公を支えてくれる存在としてすごく愛着が湧きました。それと、貴族としての矜持がすごくカッコよかったです。

凛として真っ直ぐなヒュルケンベルグが馬鹿舌というか、ゲテモノだろうとなんだろうと「うまし!」と食べる姿は面白かったし、それにツッコむストロールとの掛け合いが軽妙で楽しかったです。

見た目は可愛らしい種族のハイザメがイケオジ担当なのも良かったし、中身イケオジだけどペシペシ音立てながら生地踏む姿はキュートだったし、虫嫌がってるのもギャップがあって好きでした。

マグナス兄弟も大好きです。パーティがこの兄弟とよく絡むようになってから、仲間になりそうだけど支援者枠は残り一人だし、「どっちか死にそう!」という思いで見守ってました。私的にはジュナに恋しててツンデレでツッコミ要員としても輝けそうなフィデリオが仲間になったらな~と思ってたのですが、フィデリオが固有っぽい武器を持ってないのに対してバジリオが斧持ってたのでバジリオが仲間になるんだろうなという予感は強めてました。

そして、死亡フラグをビンビンに感じてはいたものの、やはりいざフィデリオが死亡するとウルッときちゃいましたね。いい兄弟だよ。ちなみに、バジリオが仲間になった後にゲームのパッケージのジャケット絵をまじまじと見たら、バジリオしか描かれてなくて笑いました。普通にネタバレしてた!フィデリオも!フィデリオも入れてあげて!バジリオと一心同体よ!

エディン様のファッションも凄い気になりました。めっちゃイケメンなのに、服装が変態っぽすぎる。あの服装のせいですごいネタキャラに見えてしまいます(笑)。そして片鱗は見せてましたけど、きっと重度のシスコンですよね。

あとやっぱり、最初から最後まで敵として君臨し続けたルイ様が魅力的なボスだったのが良かった。まずビジュがいい(大事)。ビジュと性格と声の全てがパーフェクトに「ルイ」という名前を体現してたように思いました。もしかしてルイも仲間になったりする…?と期待したりもしましたが、一種族につき一人しか仲間にならなそうだったし、儚い期待でしたね。ならなくてよかったけど。常に余裕綽綽で、こちらの一枚上手をいってそうな深みを纏っておられたのが良かったです。まあ、ここは後で書きますが、最後に感じたつまらなさにも関わってきますが。ラスボス戦でのあられもない姿も好きです。あんなに着込んでおられたのに、ちょっと笑ってしまいました。

どのキャラも魅力があって、楽しめました。

カレンダーの概念が斬新に感じた

カレンダーや日付の概念があって、何時何時までに作戦を実行せよ!みたいな期限が設けられるのは、私がプレイしたことのあるRPGでは初めてだったので斬新に感じました。武器防具などは安売りの日に買った方がいいし、サブクエスト消化や支援者との絆を深めるのにも半日から数日を要するので、時間の使い方を考慮しながら攻略を進めるのは新しい体験でした

今やれることを全部やりたいという気持ちもあったので、斬新さと同時にもどかしさもありましたが、時間経過の概念が出て来ることでリアリティが増してました。普通のRPGだと「急いで姫を助けなくては!」みたいな状況でも、寄り道しまくりだったりレベル上げや金策に時間割きまくりでもう何昼夜も経過したけどいつまでも姫は無事なんてことは日常茶飯事で、そういうのに比べるとリアルさがありましたね。まあ普通にプレイしててメインストーリーの作戦を期日までにクリアできなかったということにはならないと思いますが、多少予定を組んでプレイしていくことが必要ですね。

ファンタジーと現実が交錯するストーリー

メタファーの世界には8つの種族がいて、種族による差別や身分が当たり前のように存在しています。そして、その差別を生み出している原因の一つが、国教に定められている「惺教」でした。種族、信仰、価値観によって酷い差別が許されてるわけです。

一方で、主人公が愛読している本には、種族なんてなくて、みんな平等で、国のトップは選挙で選ばれるという、まるで現代社会を理想郷としたような内容が書かれてました。最初、プレイヤーとしては、一昔前の世界観の中で現代の社会システムを理想として目指すのかなと思わされます。

ですが、ストーリーが進むと地下に沈む廃墟と化したシンジュクが出てきたり、この本が理想郷を描いたわけではないことが判明します。主人公たちの世界は、現代に魔法が誕生したせいで勃発した戦争の果てに滅んだ後の世界だったのです。現代を経た未来を描いていたわけなんですよね。

理想と思われたものが理想じゃなくて、それどころか世界はそこを通過していて、現在はより悪化した社会に後退しているというのは、なんだかとても皮肉だなと感じました。

実際、差別問題とかって一進一退を繰り返すような気がします。BLM運動のようなものが盛んになる時もあれば、その揺り戻しがきたり、情勢が変わったりして。戦争なんかが起これば昔の性役割が最適解になり得るし、国が破壊されれば何もかもが逆戻りしそうなのは容易に想像がつきます。

もちろん、このゲームは小難しいことを考えずに楽しめますが、現実世界との繋がりが描かれてる分、完全にファンタジーな世界よりも距離がちょっと近く感じました。今、社会情勢も結構緊張してますしね。そんな現実と交錯するストーリーが重厚で面白かったです。

街探索が楽しく、耳に残る音楽も多い

どの街もそれぞれ異なる雰囲気があり、景色も綺麗で探索するのが楽しかったです。私にとって、街の探索はRPGの楽しみのひとつと言えるほど重要な要素です。最近のゲームは街が広すぎて探索も疲れるのですけど(笑)。夜と昼でNPCの話が違ってたり、夜にしか開いてない店があったり、違いがあるのも良かったですね。

あと、クリア後の王都を探索できたのもとても良かったです。ラスボス倒してめでたしめでたしではなく、まだまだ問題はあるけど良くなってきてるよっていう世界の変わりようが見れて、頑張って王様になった甲斐があったなあという感慨に浸れました。

そして、ゲームを盛り上げる超重要なファクターである音楽ですが、コーラスやボーカルが入っている重厚で勇壮なものが多くてすごく良かったです。タイトル画面に流れるBGMからしてなんかすごく壮大ですし、通常バトルBGMもどっしりした低音ボイスで何やらゴニャゴニャ言っててすごく耳に残りました。なんと、ボーカルに本物のお坊さんの読経のような歌唱が使われてるのだそうです。ゴニャゴニャ言ってたの読経だったのか…!!!!クリアするまで知りませんでしたけど、すごい衝撃でした。まさかお経が背後に流れてたなんて。凄いですね。ストーリーでは宗教がガッツリ絡んできますし、音楽でも宗教色出してたのは面白いです。洋風なファンタジーではありますけど、ムツタリ族にはちょっと和風みもありますし、世界観とも違和感なくマッチしてましたね。

ちなみに私が一番好きなのは後半の鎧戦車のBGMです。「自由の翼」というタイトルかな。物語がいよいよ佳境に入って来たんだなという感じがしてゾクゾクしました。

さて、ここからは不満やガッカリした点について語っていきます。

ルイのストーリーにもうひとひねり欲しかった

ルイ様、すごく良いキャラで確実に物語を面白くして下さった方なんですけども、最後の最後、もうひとつ何かこちらが予想してなかったような捻りが欲しかったというのが正直なところです。捻りというか、うーん、上手く言えないんですけど、共感できる部分が見たかったのかも?共感というか、同情というか、彼の作ろうとしている世界にも可能性を感じさせて欲しかったというか。私の理解力や想像力が乏しくて、彼が作りたかった世界がいまいちよくわからなかったので。

差別や格差が蔓延るあの世界を変えてやろうというのはわかる。ルイは故郷を理不尽に燃やされ、王にも失望し、だからこそ強い信念を持ってあの世界を変えようとしていた。でも主人公たちが言っていたように、変えるというより壊そうとしてたんだよね。ルイ自身は復讐じゃないって言ってたけど、結局復讐に見える。復讐に見えちゃうし、本人はそれを否定するしで、最終的に浅く感じてしまった。復讐なら復讐でいいのに、そんなチンケなものじゃなくてもっと崇高なものだ、というふうに見せかけられると浅く感じてしまう。

力で蹂躙された経験があるのに力こそ正義に行きつくのは、やっぱり怒りと復讐心が根幹にあるからだと思うのです。村を焼いた奴らにというよりも、世界に復讐したかったんでしょうね。こんなクソみたいな世界を受け入れて何もしない民にも怒っていたのでしょう。

でも、新世界の王になった後、ルイは何をしたかったのか私にはわからなかった。支持してくれた人たちをも捨てた世界で、どんな国が作りたいのかっていうビジョンが全然伝わってこない。少なくとも主人公たちは差別や格差を解消して弱者にも優しい方向で国造りしてくれるだろうとわかるけど、ルイがどんな国を作ろうとしてるのかさっぱりわからない。力が強いだけの人が生き残った世界でどんな国ができるのか想像できないから。だから、最後の最後までルイの掲げる力こそ正義に共感できなくて、結局ルイは何がしたかったのかわからなくなっちゃったんですよね。それがとても残念に感じました。そもそも、主人公並みに強くないとニンゲン化してしまうなら、ほとんど生き残らない…?

終盤になるほどアーキタイプ履修が楽しくなくなる

これが私的に一番のガッカリポイントだったのですが、終盤になればなるほどアーキタイプの履修が作業になっちゃってつまらなかったです。最上位を習得するには上位をいくつも履修しなくちゃいけないけれど、もう物語は終盤なのでそんなにたくさん攻略するダンジョンがあるわけではありません。

私は序盤から中盤はあまり熱心にレベル上げしなかったので、終盤に経験値アイテムや結晶などでガーっと上げざるをえませんでした。そうすると、ろくに使用しなかった上位アーキタイプがいくつもでてきたのです。

キャラも増えてるし、弱点と噛み合わなければ必然的に控えで経験値を稼ぐしかないアーキタイプもあります。上位になるほどあんまり使わなかったアーキタイプがあったというのは、ちょっと面白くありませんでした。せっかく多くのアーキタイプがあるので、ノーマルで普通に攻略してればラスダンに辿り着く頃には最上位が解放されてるぐらいにして欲しかったですね。ちゃんと戦闘で全てのアーキタイプを使用してじっくり楽しみたかったです。

あと、結晶でのレベル上げは地味に面倒でした。結晶を攻撃できない設定を用意して欲しかった。MP回復手段がほとんどないのも、攻略・レベル上げともにしんどかったです。

種植えるだけで時間消費するの辛い

カレンダーシステムは初めての経験で面白かったのですが、それにそんな時間使う!?と感じることもあって、もうちょっと1日の内にいろいろさせて欲しいと思いました(笑)。

だって、種植えるだけで時間消費するの辛いです。料理で時間消費しないのに、種植えるので消費するのは辛い。土づくりからしてるわけでもあるまいし。種植えても本ぐらい読めるよ。

支援者との絆も王の資質もちゃんと全てMAXにできたけど、討論しなかった候補者がいたの気になるし、NPCとの話も全然聞けてない。確かにこれは時間消費するよねっていう行動も勿論あるし、むしろ半日じゃ足りないだろうってものもあるけど、なんかちょっと話聞くくらいなら2つくらい聞かせて欲しい。

だってラスダン突入前は、支援者全員の話を一夜で聞けたよ(笑)。めちゃ話聞けるやんけ!て思いました。

最後に

不満点もありましたが、楽しめたゲームであることは間違いありません!特に、序盤~中盤にかけてずっとワクワクしていましたし、ああもう終盤に差し掛かってるなと気づいた時は「まだ終わって欲しくない、まだこれで遊びたいよ~」って気持ちになりました。とても素敵なゲームでした。

あ、公式のキャラクター総選挙の結果を見たのですが、1位2位は納得ですがヒュルケンベルグが意外と低くてびっくりしました。私結構好きなんです、ヒュルケンベルグ~~~。

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