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『FF7リバース』プレイ感想:ゲームとしての出来は神!クラウドとエアリスの美しい物語

『FF7リバース』

私の一番の推しであり最愛のキャラであるエアリスが出る『FF7リバース』のネタバレ感想です。今作は『FF7リメイク』の続編で、3部作の2作目にあたります。私は原作当時から圧倒的クラエア支持派で、エンディングも含めてガッツリネタバレしていますので、諸々ご注意ください。

製品情報&トレーラー

タイトルFINAL FANTASY VII REBIRTH
開発・発売SQUARE ENIX
発売日2024年2月29日
プロデューサー北瀬佳範
ディレクター野村哲也
浜口直樹
鳥山求
シナリオ野島一成
音楽植松伸夫
浜渦正志
鈴木光人

ネタバレ感想

世界観の作り込み、ゲームとしての面白さはFF随一

単純にゲームとして面白さを比較した場合、直近の最新作であるFF16よりも面白かったです。最初からどこにでも行けるタイプのオープンワールドではないけれど、どのエリアも広大で、それぞれ特徴や雰囲気が違っていて歩いているだけで楽しかった。マップを探索する要素もたくさん用意されてて、早くストーリーも進めたいけど探索もしたいというジレンマが常につきまといました。ネタバレ見ちゃうのが嫌だったから急ぎめでストーリーを進めましたが、そういうプレッシャーがなかったらじっくりゆっくり美しく生まれ変わったFF7の世界を見て回りたかった。ゴンガガにいると、ザックスってこんなジャングルみたいなとこで生まれ育ったからあんなにおおらかで明るくて前向きになったんだなぁ~なんて感じるし、ゴールドソーサーのテーマパーク感にはリアルに訪れてみたくなるほどワクワクしました。ショップにおかれたグッズとかめちゃ可愛いですよね。ニブルエリアには北欧神話にちなんだ地名やら名前が多いのも興味深かった。エリア毎にBGMも違って雰囲気に合わせて冒険感を盛り上げてくれました。本当に素晴らしかったです。

ミニゲームの多さもヤバかった。この多さは良かった点であると同時に不満点にもなるんですけど、オリジナル時からミニゲームは多かったし、これだけ多種類のものを高いクオリティで用意してきたことには素直に感服しました。私はクイーンズブラッドが好きです。難しいけどピアノもお気に入り。トレジャースポット探しとかチョコボのお宝探しとか地味なのも好きです。サブクエも結構あって、仲間との交流が深まるので必見でしたね。しかも、サブクエにもそれぞれ違ったミニゲームが用意されてるので、お使い感が全くなかったです。お使い感がない代わりに「またミニゲームかよ!」と思った人も多そうですが(笑)。

FF7のストーリーってシリアスで重苦しいし、不安定なクラウドがめちゃめちゃ不穏なんですけど、ノリは基本的にはコミカルで面白いんですよね。原作は頭身が低いからそのノリでもいけたのかなと思ってたけど、リアルなグラフィックでもコミカル感が上手く再現されてて楽しめました。悲劇の物語だけど、仲間との旅はとても楽しかったなぁって気持ちになります。今回バレットへの好感度アップした人多そう。色んなキャラクターへの愛が深まりました。クラウドってノリがめちゃくちゃ悪いようで、要所要所で異次元のノリの良さを見せるから笑っちゃいます。

私がFF7を好きなのってキャラ愛ゆえなんですけど、それ抜きにしても今作はFFの中でも1、2を争う面白いゲームになってると思いました。まあ、子供の頃にやったFFは殿堂入りしちゃってるんで単純な比較はできないんですけど。やめ時がわからなかったし、ずっと遊んでられました。クリア後のやり込み要素も豊富ですし。こんなに凄いクオリティで作ってくれてありがとうって気持ちです。

不満点

ストーリーを進めたいのにミニゲームを強制されるのはストレスでした。「今日はミニゲームやるぞ」って気分の時にやるのは楽しいのですが、ストーリー上避けられないミニゲームもあって、それはうんざりしちゃうので止めて欲しいです。あと、ミニゲームの難易度が結構高い…。特に上級クリアで要求されてる水準難しいですよね?もうちょっと易しめにして欲しいし、ゲーム下手でもトロフィーコンプしたいんだから、ミニゲームをトロフィーに絡めないで欲しいです。3Dバトラーなんて私にとっては一時停止しながら攻略サイトの画像と比較するゲームになってしまって面白さ皆無でしたが、みんな一時停止しなくてもあれ攻略できるの?腹筋はリメイクでも評判悪かった気がしたけど、何故今作も入れたんでしょう。モーグリのこともミニゲームが原因で嫌いになりそうでした。バトルシミュレーター・コロシアム系も多すぎます。まあバトル系は難易度をイージーにすれば途端にヌルゲーになったので救いでしたが。

あと、ハードモードの仕様も気に入りません。リメイクの時もでしたけど、アイテム使用不可にするのやめて欲しい。めちゃくちゃ持ってんですよ、アイテム。私エリクサー病患ってるので、ノーマルでクリアするのに1回もエリクサー使いませんでした。アイテムありきの難易度に上げてもらっていいので、ハードでも使わせてください。まだハードでやってないけど、せっかくのアイテムクラフト機能も腐るでしょ。

もう一つ、ストーリー上の不満点です。FF7で屈指の名シーンであるエアリス死亡&お別れシーンが複雑で難解になっていたのがとても残念でした。「おおおおおお…!!!……ん!?なに、どゆこと?どっちだ!?」という反応になっちゃって、泣きたい感情にも喜びの感情にもなれずに頭にハテナを浮かべたまま長くてしつこいラスボス戦で疲弊させられました。原作で体験したエアリス死亡の衝撃・悲しみは、どう綺麗に再現しようとも二度と味わえないことはわかっているからこそ、どう見せてくるのか、変わるのか変わらないのか、非常に楽しみにしてました。あれだけ運命を変えることを煽って新要素を追加しておきながら変わらないのは詐欺みたいなものです。確かに変わったことを示唆するものは描かれてました。だけど、初見で色々繋げて理解するには複雑すぎるし、「よくわからんけどエアリス生存はありそうだな」みたいなのっぺりした感情を抱くので精一杯。感情が揺さぶられるはずのシーンで、これは世界線変わってるの?これはライフストリームにいるエアリス?これは原作通り死んだエアリス?クラウドどういう状態?とかごちゃごちゃ考えさせられるのって、雑音でしかないです。クラウドとエアリスの切なくも愛に溢れた表情にはグッときたし泣けましたけど、よくわからんって感情が真っ先に来たのはほんとにガッカリでした。

もうさ、「基本は原作通り」みたいな上っ面、やめればいいのに。変えてます・変わりますってはっきり示してくれた方がすっきり楽しめる。そういう見せ方して欲しかった。

クラエアルートで見ると美しくも悲しい愛の物語

私はクラエア好きなのでクラエアルートで見るのは当たり前なのですが、リバースではほんと泣くくらいにたくさんのクラエアを浴びて幸せでした。クラウドがエアリスに惹かれていって、初々しいゴンドラデートを経て、終盤本格的に2人の恋が始まりそう!という中で悲しい別れがやってくる。最後の伍番街スラムでのデートのクラウドとか、1作目の主題歌である『Hollow』の歌詞にある「浮かれてた?」の部分によく当てはまってると感じました。「エアリス、あれは何だろう」なんて言っちゃって、クラウドは浮かれてますよね。そんなクラウドの後ろでエアリスは黒い羽を見て不安や悲しみをひた隠してるのが切なくて。

教会でのやり取りもすごく良かった。エアリスとこれからもっと思い出を作る気でいるクラウドと、それが叶わないことを悟っているかのようなエアリス。抱き着いてきたエアリスをどのルートを通ってもクラウドは抱き返すんですけど、クラエアデートを経験してるとこのハグに一層恋愛の意味合いを感じられると思います。そして恋愛感情がある前提で見ると、忘らるる都の2人から感じ取れるものがより儚く愛おしく見える。LOVELESSの内容だってあからさまにこの2人を暗示したような内容だし、『Hollow』『No Promises to Keep』という2つの主題歌もクラエアをめちゃくちゃ盛り上げてくれる。こんな風にクラエアを丁寧に描いてくれて本当に嬉しかったです。

勿論、クラエアだけが良かったわけじゃなくて。他のキャラとの関係もきちんと描かれてました。ゴンガガのとこではティファが大事な人だってことが伝わるし、クラティのゴンドラデートはキスまでするので羨ましいなぁって思います。それでも、私がプレイしたリバースではクラウドからエアリスへの不器用な愛がとても伝わって来たし、クラエアルートで見る物語が一番美しいなという気持ちは揺るがないです。クラティ派の人のリバースの感想で、クラウドはエアリスに恋愛感情がないのが伝わったという意見を見かけたので、リバース大成功なんじゃないでしょうか。だってプレイヤーが推すカップリングによって全然違う感想を抱くってことは、曖昧な表現や分岐を使うことでファンが見たいものを上手く描き分けてるってことですもんね。

私は分岐はファンサービスとかオマケとかじゃなくて、どのルートのクラウドもいるんだと解釈しました。マルチバースであることも明らかになったし。ザックスがクラウド・ビッグス・エアリスの選択で迷ってましたけど、どのルートのザックスもいましたよね。そして、そのうちの一つだけが公式で残りはファンサとかではない。例え最終的に世界が一つになったとしても、消えた世界線の何かがなかったことになるわけじゃないと思う。クラウドにとってエアリスもティファも気になる大切な存在で、だからどっちにも転ぶんでしょう。そして、どのルートを通ってもザックスが死ぬ運命にあったように、クラウドとエアリスも引き裂かれる運命にある。ルートによって変わらないのはその部分。3作目でこのへんの解釈は変わる可能性はありますけど。

あ、エアリスルートだとLOVELESS観劇の時、エアリスが黙っていなくなるのは不自然すぎだろと笑いました。デート中ですよ、エアリスさん!横を見たらエアリスいなくてクラウドも「え…」ってなってるし。せめてクラウドに一言声かけて離席しようぜ。ぼっち観劇になってたわけでしょ?普通怒りそう(笑)。

忘らるる都~ラストについて

クラウドは確実に正宗を弾き返しました。今度はエアリスを守れた。そう思ったのに、ノイズが走って綺麗だった刃に血がついてエアリスは倒れた。エアリスを守れた世界線と、原作通り死んだ世界線が切り替わったように見えます。クラウドが涙を流すシーンでもノイズがバチバチ入り、名台詞の「指先がチリチリする~」の台詞も聞こえない。ここらへん何が起きてるのかよくわかりません。そして、クラウドの腕の中でエアリスが目を覚まして、クラウドは泣きながらも安堵したように微笑む。運命の壁が消えて駆けつけたティファにも血を流してないエアリスが一瞬見えていた。次回作でティファには新しい役割がありそうですね。そして、この時セフィロスが「あらゆる情を乗せた世界が混ざり合うのだ」と言ってるので、世界線が交錯してるんだと思います。クラウドだけが生存したエアリスをはっきりと認識できている状態なのかな?まーよくわかりません。

クラウドは他の世界線を見たり行き来してるので、なんでそんなことができるのか不思議です。ジェノバ細胞の影響なのかなぁ…。クラウドがおかしくなってエアリスの幻覚を見始めたようにも見えるから、エンディングちょっと不気味さがありますよね。そもそもそれ以前からクラウドはだいぶおかしくなってきてるので、エアリスの死で遂に完全におかしくなったと思う人もいそう。でも、クラエア好きとしてはクラウドだけがエアリスを認識できるというのはエモく感じます。

エアリスは一人忘らるる都で祈り続けるんでしょうか。まだホーリーが発動できてないってことですよね?でも、主題歌のことを考えるとクラウドがエアリスを見つける展開がどこかで来ると思うから、エアリスは忘らるる都にずっといるわけじゃないのかな。それとも、見つけ出すのはあのエアリスではない…?最早自分が何を言ってるのかもわかりません。

最後、エアリスは「さよなら」と言って旅立つ仲間を見送りますが、「さよなら」じゃなくて「またね」が聞きたかったなぁ。悲しすぎる。

3作目はどうなるのか

リバースはとてもクラエアだったけど、3作目は購入するか迷う気持ちはクラエア好きさんならわかると思います。精神世界と決戦前夜でクラティが盛り上がるところですからね。ドラマチックに描いてくるはず。3作目にもクラエアがある布石はリバースでたくさん感じられたけど、スクエニに対する信頼って低いから、期待したらガッカリするんじゃないかという防衛本能が働きます。

私が3作目にもクラエアを期待せずにいられないのは、2つの主題歌の「見つけるから」「見つけて」「今度は離しはしない」「離さないで」の回収が来ると思うから。正宗を弾き返してエアリスを守った世界線の回収もあるはず。運命に引き裂かれた2人が長い年月を経て別の未来を掴み取る展開になったらすごく素敵な物語になると思う。気になるのは、ラストでクラウドが「急いでセフィロスを探し出して倒す」と言った時に、エアリスが何かを堪えたように見えること。セフィロスを倒したらエアリスにとって何か悲しいことが起こるのか…?セフィロスを倒したらクラエアは再会できなくなる…?

精神世界と決戦前夜って一部既にリメイク・リバースで描かれてるように私は思うんですよね。精神世界は言わずもがなティファがウェポンに飲まれたところ。クラウドの精神世界を待たずにティファはクラウドが自分を守ってくれてたことを知りました。リメイクの時点でクラウドは何度もティファのピンチを救ってたので、これ精神世界で「約束守ってくれてたのね!」とか言われても「リメイクでも散々ピンチを助けてたでしょ」ってツッコミ入れたくなっちゃうなと思ってたけど、リバースでこの展開が来るとは。そして、そんな野暮なツッコミ入れるようなやり取りには感じなくて自然でした。ニブル事件の真実がまだなのでそれは次回やるだろうし、そこでもまた「来てくれてたんだ!」ってやるのかもしれないけど。

「今度は私が守るから」とティファとクラウドがいい雰囲気になって、ユフィたちが聞き耳立ててたところ、決戦前夜の後に飛空艇で仲間たちに冷やかされてたのとかぶりますよね。そして、原作にキスシーンはなかったのに(想像の余地はあれど)、デートで入れて来たこと。高好感度ルートの決戦前夜に入れればいいのに、なぜ原作より早い展開になるのか不思議です。3作目に本当の自分を取り戻したクラウドともキス~ってしたいのかな。クラエア派としては、エアリスの死後にイチャつくのはいい気しないんですけどね。特にリメイクプロジェクトのティファは人のことを慮るシーンが多いので、エアリスの死後すぐにイチャイチャするように見えなくて。まあこれは今回のデートシーンが決戦前夜の前倒しだったらいいなという願望なので気にしないでください。スクエニもクラティファンが期待するものを見せたいと思ってることでしょう。

ティファの「今度は私が守るから」の回収も3作目で来ますよね。精神世界と決戦前夜よりもそこが一番の見せ場になる可能性もあります。

あとは、セフィロスがやろうとしてることやザックスがどうなるかも気になりますね。わからなすぎて予想もできませんが。ザクエアの再会もあると思うんですよね~。伍番街スラムデートしてたクラエアって、ザックス世界線でずっと描かれてたクラエアとはまた別の世界線ですよね?クラウドの肩当て違うし、スタンプも違うし。エルミナが家から出さない世界線もあるかもしれない。

あとは、エアリスがクラウドに渡した透明のマテリア。ギ族が黒マテリアを生み出した話から、あの透明のマテリアが無垢のマテリアで、あれが何らかのマテリアに変化するんじゃないかという考察を見かけてナルホドと思いました。そうだと面白そう。エンディングでは黒マテリアになってたけどね…。その辺も謎ですよね。気になる事いっぱいありすぎる。

3作目の主題歌がどうなるのかも楽しみです。Yoshさんとローレンさんのデュエットにして欲しい…なーんて。

最後に

売り上げが芳しくないと見たのですが、PS5独占・分作・次作がPS6で出るかもしれない不安・完結してからまとめてやりたいなど、色々要因がありすぎて伸びないのも仕方ないだろうって感じです。リメイクが面白くなくて脱落した人には「リバースは面白いよ、大丈夫!」とお勧めできるけど、PS5持ってないとやはりハードルが高い。逆に、PS5は持ってるけどリメイクやってない人には「リバース面白いよ!」と勧めても、リメイクからやってもらわなきゃいけないという手間がある。そしてリメイクはゲームとして面白いかと言われると難しいところ。更に、リバースはリメイクやってたら話がよくわかるかと言うと、そういうわけでもない。原作・CCは履修必須レベルだし、ACも見ておいた方が良いでしょう。DCやってればもっとストーリー理解できるかもしれないし、ECに出て来るキャラもガッツリ絡んでるし、小説の内容も出て来る。これら全てが必須ではないけれど履修推奨レベルなので、リバースを楽しむハードルってめちゃくちゃ高いんですよね。こんなに楽しいゲームなのに、それが勿体ないなぁって思いました。

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