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『エル・チャポ』シーズン2ネタバレ感想:報復の応酬で泥沼化する麻薬戦争

Netflix『エル・チャポ』シーズン2全12話

Netflixドラマ『エル・チャポ』シーズン2全12話を視聴しました。ちょっと話数が多めですが、史上最悪の凶悪武装集団が登場し、カルテル間の抗争が苛烈になってめっちゃ盛り上がりました。時代的にも近いので、自分があれそれしてた時メキシコではこんなことが起きてたのか~なんて考えることもできて興味深かったです。当時の私は何でこんなにも知らずにいたんでしょうね?

全員が「やられたらやり返す」の精神ですから、報復合戦の連続で地獄のような時代に突入していきました。やっぱメキシコの麻薬戦争は2000年代~2010年代のことも描くべきですよ、『ナルコス』さん。

当記事では『ナルコス』についても言及しているので、『ナルコス』のネタバレを知りたくない方はご注意ください。

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あらすじ

チャポ逮捕から2年後の1995年メキシコ。コンラド・ソルは約束通り、チャポを警備の軽い刑務所へ移送させた。そこにはグエロも収監されていた。チャポは便利屋の囚人を通じたり刑務官を買収するなどして刑務所暮らしを快適なものに変えていったものの、ソルには釈放を断られてしまう。一方、組織を統率できていないことをソルに非難されたアマドは整形手術に臨むも死亡してしまった。アマドが死去したことで、ソルは次にカルテルを支配する指導力のある人物を探さなければならなくなる。

予告動画

新たな登場人物&キャスト

シーズン2からスポットの当たった人物や新たな登場人物を紹介します。次々におじさんが登場するので人物把握が中々大変です。スペイン語の名前のカタカナ読みが誤ってたらすみません。

アルトゥーロ・ベルナル・レイダ

シナロア・カルテルのメンバー。チャポが服役していた間、弟のアリエロと共に代理を務めていました。度胸があり、チャポのために尽力します。モデルとなった人物はアルトゥーロ・ベルトラン・レイバ。演じているのはアントニオ・デ・ラ・ベガ。

ラ・ムニェカ

アルトゥーロ・ベルナル・レイダの有能な右腕。地元がガルフ・カルテルの縄張りです。モデルとなった人物はエドガー・バルデス・ビジャレアル。演じているのはレアンドロ・ロペス。

ビセンテ・カスティージョ

アマドの弟で、アマドの死後フアレス・カルテルのボスに就任。通称”チェンテ”。S1の記事でアマドの姓をカリージョと表記してしまいましたがカスティージョだったみたいです。ロドルフィーヨという弟がいます。モデルとなった人物はビセンテ・カリージョ・フエンテス。演じているのはポール・チョザ。

ラシエル・カルデナス

ガルフ・カルテルのボス。チャポの連合入りを拒否します。モデルとなった人物はオシエル・カルデナス・ギリェン。演じているのはマルコ・アントニオ・アギーレ。

エル・カノ

ラシエルの殺し屋で、ガルフ・カルテルが創設した傭兵部隊ロス・エメスのボス。軍仕込みの戦闘技術を有した非常に残虐な男です。モデルとなった人物はロス・セタスのエリベルト・ラスカノ。”処刑人”の異名で恐れられた人物です。演じているのはハロルド・トーレス。

ナサリオ・モレノ

ミチョアカンのラ・ファミリア・カルテルのボス。ラ・ファミリア・カルテルはキリスト教系宗教団体でもあり、ガルフ・カルテルとは同盟関係にあるため、チャポの連合入りを拒否します。モデルとなった人物はナサリオ・モレノ・ゴンサレス。演じているのはネルソン・カマヨ。ちょいちょい金子賢さんに見えました。

アルトゥーロ・グスマン

チャポの弟で通称”エル・ポヨ”。チャポが収監中、チャポの子供たちの面倒を見ていました。演じているのはエドウィン・モンターニョ。

キノ

チャポと第一夫人アレハンドラの息子。やんちゃ気味です。モデルとなった人物はイバン・アルキバルド・グスマン・サラザール。演じているのはイバン・アラゴン。

モレノ

チャポと第二夫人グラシエラの息子。チャポのお手伝いをしたがっています。モデルとなった人物はエドガー・グスマン・ロペス。演じているのはエクトル・ムニョス。

ネタバレ感想

脱獄

アマドの死後、ソルの進言を受けた政府はカルテルのまとめ役にアベンダーニョを選択しました。しかし、要人や記者を殺して暴れまわるラモンが手に負えず、チャポの釈放とアベンダーニョの引き渡しを交換条件にシナロア・カルテルと手を組み直すことにします。ところが、ニュースになる手柄が欲しいアメリカからチャポの引き渡しを要請され、その上、選挙で制度的労働党が敗北し、ソルは失職してしまいました。ソルを頼っての釈放が望めなくなったチャポは脱獄を決意します。

チャポは刑務官や警備責任者を買収しまくり、連邦警察にも金を渡して、2001年1月19日、脱獄してみせました。脱獄されるという大失態を犯した政府は特殊部隊を結成し、チャポは政府から追われる身となります。

シーズン2開始早々、ソルがいきなりこんなに追い込まれるとは思いませんでした。それにしても、グエロは坊主頭になったら少し老けました?そして、収監されてもいないラモンもなぜか坊主頭に。

最初に収監された重警備の刑務所での暮らしとは打って変わって、チャポはもうやりたい放題でしたね。お金を受け取らない人もいましたけど。塀の外で貧困に喘ぎながらも正しく生活している人間からしたら、この世の不条理に馬鹿馬鹿しくなることでしょう。こんだけ買収される人間がいるってことは、チャポから貰えるお金の方がお給料よりずっとずっと美味しいってことですもんね。麻薬ビジネス恐ろしいわ。

洗濯物のカートに身を隠して脱獄したというのが通説のようですが、ドラマでは警官の制服を着て警察に紛れて脱獄していました。脱走の連絡を受けて突入してきた買収済みの警官達に紛れたのです。「洗濯物カート説に疑問の声が」と言う実際のニュース映像も流れていましたね。洗濯物カートを押していた刑務所員のチトはチャポに尽くしたのですが、「自分一人で脱獄を手引きした」と自首するように言われてしまいました。チャポは、関与を疑われた政府高官を守るためにチトを利用したんですね。なんと哀れなチト…。

アベンダーニョとの決着、連合の結成へ

脱獄したチャポは各カルテルのボス達を呼び集め、平和と利益の分配のために連合を作ることを提案します。しかし、ガルフ、ラ・ファミリア、フアレスのボス達に連合入りを拒否されてしまいます。皆を納得させるため、チャポは全員の共通の敵であるティフアナ・カルテルのアベンダーニョ兄弟を倒すことを宣言しました。

チャポは、アベンダーニョを捕まえて引き渡す代わりに自分の引き渡しを取り下げるようDEAに要望を出します。その交渉のためチャポの弟のポヨがDEAと接触するのですが、それは罠で、ポヨは逮捕されてアルモロヤ刑務所に収監されてしまいました。

DEAとの取引が叶わなかったチャポに、今度は失職したソルが取引を持ち掛けてきます。アベンダーニョ兄弟を引き渡してくれれば、ソルが政府の仕事に復帰できた際にチャポの捜索をやめさせるという取引です。ソルはアベンダーニョ逮捕の手柄を政府にもたらすことで政界復帰を狙っているのです。互いに他に頼る先がありませんから、二人は手を組みます。

チャポはまずラモンを捜し出し、グエロ妻子の仇のため殺害しました。更に、チャポは自分を狙う政府の特殊部隊をも脅迫と買収で支配下に置くことに成功し、彼らを使ってベンハミンの居場所も捜し当て、その情報をソルに流します。ソルは大統領官邸を訪れ、ベンハミンの情報と引き換えに連邦警察作戦局局長の座を手にすることができました。こうしてベンハミンは逮捕され、チャポは自由の身となります。宣言通りアベンダーニョ兄弟を倒したチャポは再びボス達を集め、政府やDEAとも協定を結んで連合を結成しました。

遂に因縁の対決に決着がつき、チャポはかつてのミゲル・アンヘルの地位に上り詰めましたね。私がよくわからないのは、いつの間にかチャポはシナロアのトップ面してるんですが、何でですかね?シーズン1でテカテ市を任された後、もっと上の地位に行ったんでしたっけ?シナロアはイスマエル担当になったはずでしたけど、知らぬ間にイスマエルと立場が逆転してるように感じたのですが。私が忘れてるだけかな。それとも、脱獄してすげー奴だ!って認められたのかしら。

『ナルコス』でもラモンの結末は描かれていましたが、あちらとはだいぶ流れが違いました。ラモンの死はチャポの脱獄後だったんですね。

それにしても、いくらアベンダーニョを引き渡せたからって、脱獄したチャポが見逃されるっていうのが市民目線で全く納得できない。もちろん、表立ってチャポはもう自由ですなんて言ってなくて、追ってるふりしてるだけってことですけど。DEAも、他カルテルの情報をくれれば商売していいとか言ってましたし。いいのかよ!マスコミへのネタ用にブツの押収や逮捕も口裏合わせてわざとやったりしてるんですね、汚い世界ですわあ。

史上最悪の凶悪組織の登場

チャポは連合を結成することに成功しましたが、ガルフ・カルテルとガルフと同盟関係にあるラ・ファミリア・カルテルは加入を拒否しました。チャポはラシエルを敵と見做し、ここからガルフとの抗争がとてつもなく激化していきます。ガルフはロス・エメスという傭兵集団を擁しているのですが、この集団がまあエグイのです。

ドラマではロス・エメスという名前ですが、実際はロス・セタスという名前の組織です。ググればすぐわかりますが、ロス・セタスは史上最も残虐と言われるほど暴力性に溢れたカルテルです。ドラマ内でもちらっと描写がありましたが、実際、生きたままチェーンソーで首を切り落としてその動画をネットで公開していたそうです。今でも見れるのか知りませんが、うっかり見たらトラウマになること間違いなしでしょう。敵対組織や警官だけでなく、批判的な弁護士や市長、一般市民や移民も大量殺戮しており、とにかく危険で凶悪な組織。ちなみに、遺体には『Z』の文字を刻印したのだとか。まるで漫画の話みたいですね。『Z』はスペイン語で『セタ』と読み、隊員にはZ-1、Z-2とコードネームがつけられています。ロス・エメスの『エメ』は『M』のことです。

そして彼らは戦闘力も半端じゃなかったのです。初代リーダーはアルトゥーロ・グスマン・デセナ(Z-1)という人なんですが、彼はGAFEと呼ばれるメキシコ軍の特殊部隊に所属していて、彼が引き抜いてきたメンバーもガチの軍人ばかり。ギャングの集まりみたいなのとはわけが違うのです。装甲車とかミサイルとか、武器や装備も豊富に所持していました。

ロス・エメスのリーダーのカノはエリベルト・ラスカノ(Z-3)がモデルですが、彼もGAFEの軍人です。英語版のwikiに彼の拷問方法が書いてありますが、ライオンやトラの餌にするだの煮立った油の樽に入れるだの、まあ残虐です。

ドラマ内でチャポを追っていたのにチャポに買収された特殊部隊もGAFEでした(GAFES表記でしたが)。その彼らもエメスには脅威を感じていました。それくらい、訓練されている組織だということでしょう。

アベンダーニョとの戦いが終わったと思ったらこの残虐武装集団との戦いが幕を開けるわけですが、メキシコ麻薬戦争のここが見たかったという一番面白いところだったように思いました。

報復の連鎖で泥沼化していく麻薬戦争

ガルフ・カルテルが支配するヌエボ・ラレドを奪ってメキシコ全体の支配を狙うチャポは、ソルが率いる連邦警察や軍とも連携してヌエボ・ラレドを襲撃します。ラシエルの逮捕には成功しますが、ロス・エメスの激しい反撃に遭い、ヌエボ・ラレドの奪取とラシエルの弟トニー・トルメンタの確保には失敗してしまいました。ラシエルはアルモロヤ刑務所送りとなり、トニーがガルフのボスになります。しかし、実質トニーよりもカノの権力が上回っていました。ガルフの傭兵部隊だったロス・エメスは、ガルフと敵対していくことになります。

連合を結成したのに抗争はなくならず、フアレス・カルテルとも一悶着起きてチェンテの弟が死亡してしまいます。弟を殺されたチェンテは刑務所のラシエルを頼り、報復としてチャポの弟ポヨを殺害しました。一方で、チャポはガルフと同盟関係にあったラ・ファミリアを連合入りさせることには成功しました。

ラ・ファミリアというのは不思議なカルテルですね。熱心なキリスト教信者なのに麻薬業を生業にするってのは、一体どう自分の中で整合性を保っているんでしょう。神の教えとは?

チャポはシナロアを世界一の組織にするため、ヌエボ・ラレドだけでなくフアレスも手に入れることを決意します。ポヨを殺害したチェンテへの報復の意も込めて、ヌエボ・ラレドとフアレスへの同時攻撃を開始しました。ソルも連携して連邦警察と軍を動かします。ところが、警察や軍にもロス・エメスと繋がっている人間がいたため、作戦はロス・エメスに筒抜けになっていました。カノとチェンテは手を組んでチャポと政府に反撃し、戦いは長期化していきます。

フアレスの地元警察はフアレス・カルテルの味方で、互いに癒着相手側に立って戦うわけですから、警察組織同士でやり合うことになるのですよね。それがスゴイ世界だなって思いました。国内の警官同士で殺し合ったわけでしょう?日本だと〇〇県警と××県警が衝突してるって感じですよね?怖い。

情報漏洩を解決するため、政府とチャポは敵側に買収されていた人間を寝返らせる作戦に出ます。怒ったカノはチャポの縄張りで一般市民を虐殺し、政府とチャポの癒着を示唆するメッセージを現場に残しました。その直後、チャポも報復としてヌエボ・ラレドの市民を襲撃したのです。

報復に次ぐ報復で一般市民まで攻撃のターゲットにされ、泥沼化が極まりましたね。見たかった部分ですけど、かなり胸糞悪い。何で関係ない市民を襲うの…。まださ、身内が対象になるのはわかりますよ?お前に弟殺されたからお前の弟も殺してやるってのは、実行がダメなのは当然として心理は理解できます。無関係の人間を対象にしちゃダメでしょ。

カルテルの抗争に巻き込まれた3人の市民の話が1話挿入されてるんですけれど、どの視点も地獄だと思いました。カルテルに拉致されて行方不明になった娘を探す母親、拉致・脅迫されてロス・エメスの兵士にされた少年、大麻(ケシ?違いがよくわからない)栽培農園で働く夫婦…。メキシコでは現在もカルテル絡みと見られる行方不明者が大勢いて、捜査が進まない問題があるようです。

『ナルコス』で収監されたフェリクスがウォルトに言った「俺を恋しがるだろう」の台詞は、この時代までを描いてこそ染みる言葉だったと思うんですよねえ。

不正選挙

麻薬戦争が激化していく中で大統領の支持率は大幅に落ち、ソルは時期大統領として支持率トップに躍り出たアンドレス・ラブラドールに接触を図るも、汚職や麻薬密売人との関係を断つことを宣言しているラブラドールには退けられてしまいます。チャポにとっても、密売人と対決姿勢を崩さない人間が大統領になってはマズイ状況でした。ソルは、対抗馬であるフェリペ・アラルコン候補と組むことにします。

金銭スキャンダルを流したりフェイクニュースを流したりとあの手この手でラブラドールを貶めますが、反ラブラドール派の工作であることを関係者にバラされたりして、逆にラブラドール優勢となってしまいます。しかし、チャポからの金と投票箱に細工をするという不正によってアラルコンは当選を果たし、ソルは警察長官に就任しました。こうして、チャポは新大統領とも関係を維持することに成功したのです。アラルコン大統領は就任後麻薬カルテルに宣戦布告するのですが、前項の通り市民も攻撃対象にされるほど戦争は泥沼化していきました。

不正選挙きた~~!ラブラドールのモデルになった人物はオブラドール、アラルコンはカルデロンです。ラブラドールて名前呼ばれるたびに犬を思い浮かべちゃいましたよ。2006年のメキシコ大統領選ではかなりの僅差でカルデロンが当選したのは事実ですが、実際に不正選挙だったんですかね。一応司法は選挙結果を認めているようです。ちなみにオブラドールは2018年の大統領選に勝利し、2021年12月現在の現職の大統領です。

尽くしてくれた仲間への惨い仕打ち!天罰は下る

癒着が報道されたことや泥沼化する戦争に政府は業を煮やし、チャポはソルからこのままだと協定は破棄だと言われてしまいます。チャポは和平を申し入れるため、アルトゥーロ・ベルナル・レイダを使者としてチェンテの元に向かわせました。殺される危険があった中、アルトゥーロはチェンテとカノの信頼を得て和平合意を取り付けます。ところが、チャポは尽力してくれたアルトゥーロの手柄に報いるどころか、スピード違反で逮捕された息子キノの解放と引き換えにベルナル・レイダ兄弟をソルに差し出したのです。アルトゥーロは運よく捕まらずに逃げましたが、弟のアリエロは逮捕されてしまいました。

アルトゥーロはチャポが収監されていた間も商売の拡大に努め、脱獄も手助けしたりとずっとチャポのために尽力していた人です。功績が報われなくてちょっと反発もしましたが、キノが逮捕された時も助けるために動こうとしてくれたのに、そんな思いを踏みにじるかのようにチャポは彼を売ったんですよね。アルトゥーロに同情しちゃいます…。チャポ最悪だよ。それにしても、イスマエルはチャポの言いなりで全く諫めたりしないの、どうなの?全肯定マンみたいになってるじゃないか。ベルナル・レイダ兄弟を裏切るのは悪手だと思わないのかな。アルトゥーロも逮捕できてたとしても、他のボスには不信感を抱かせるだろうし、アルトゥーロがいたから停戦に応じたカノやチェンテも黙っちゃいないことは容易に想像つくのに。

裏切られたアルトゥーロはカノとチェンテと手を組み、停戦はあっという間に破られました。平和を求めて連合に加入したボス達は去ってしまいます。チャポは軍の援護を受けながらアルトゥーロを捜索しますが見つけられません。それどころか、アルトゥーロの捜索をしていた部下達が、誤ってチャポの息子モレノを銃殺してしまいました。

昨日の友は今日の敵!もうヤバいしか言えないです。麻薬カルテルが市民に外出禁止令を出すってのも意味不明でヤバかったし、ウンザリした大統領が「何が正常なんだ?」とか言い出すのもヤバかった。しっかりしてくれ。そして、モレノと一緒にいた友人の名前がアルトゥーロだったことから、とんでもない悲劇が起きてしまいました。ボスの息子を誤って殺したとか、どんな地獄の拷問を受けてしまうのかとこっちも気が気じゃありませんでしたけど、そこは意外とチャポは理性的でしたね。モレノは可哀想ですけど、チャポにとっては痛すぎる裏切りの代償となってしまいました。

史実として、エドガー・グスマン・ロペス(エル・モレノ)は2008年5月のカルテル抗争中に銃撃で死亡しています。ベルトラン・レイバ・カルテルが暗殺を命じたとか、ドラマのように手下が標的を誤って殺害してしまったとか、説があるっぽいです。

勝利

チャポが息子を失って傷心状態となった一方で、モレロスに潜伏しているアルトゥーロはクスリに溺れて人間不信に陥っていました。喪失から立ち直ったチャポは戦争に勝利するべく、カノとの因縁があるガルフ・カルテルのトニーと手を組みます。また、フアレスと癒着していた地域警察も寝返らせ、着々とチェンテを追い詰めていきます。ムニェカは疑心暗鬼で暴走するアルトゥーロを見限り、チャポにアルトゥーロの居場所を白状しました。襲撃準備が整ったところで、シナロア・ガルフ・海軍・連邦警察は一斉にヌエボ・ラレド、フアレス、モレロスへと攻め込みました。戦いの結果、トニーはカノに殺されてしまいましたが、アルトゥーロの射殺とチェンテの逮捕に成功し、ヌエボ・ラレドからカノを追い出すことにも成功します。こうしてチャポは勝利を手にし、ソルにも次期政権での内務大臣就任の話が舞い込んできました。

アルトゥーロが依存症&疑心暗鬼で占いに頼るなんて馬鹿なことし出したのは残念でしたね。チャポが引きこもってる間が反撃のチャンスだったのに、無意味なことにかまけてたらチャポが復活してやられてしまいました。カノの右腕の最期は拍子抜けするほどあっさりしてましたね。ずっとチャポの用心棒だったトニョはグアダラハラのボスに昇格できて良かったです。ちゃんと報いないとですもんね。

さて、史実ではアルトゥーロ・ベルトラン・レイバの死とビセンテ・カリージョ・フエンテスの逮捕は同時期ではなさそうです。アルトゥーロがメキシコ海軍に襲撃されて死亡したのが2009年12月で、ビセンテが逮捕されたのは2014年10月ですから、かなり間がありますね。ドラマみたいに三点同時攻撃して一気に制圧したわけではないのでしょう。

最後に

シーズン2はとても楽しかったのですが、チャポのことはどんどん不愉快に思うようになりました。何だろう、エスコバルもかなりえげつなかったのに、『ナルコス』では不愉快どころか魅力的に感じたんですけどね。麻薬王への感じ方としては不愉快な方が正しいんでしょうけど。

ソルは恋人(男娼かな?)とイチャイチャしているシーンが多すぎて胸やけしました。大統領がカストロを国際会議から追い出したという小話がちょっとした伏線になっていたのには笑いましたけど。ソルは野望のために恋人捨てるかな?捨てそうですよね?

ミスコンで優勝して17歳でチャポの妻になった少女のモデルはエマ・コロネル・アイスプロですが、彼女は今年(2021年)逮捕されてついこないだ禁固刑の判決が出ていましたね。

私はロス・セタスとの戦いを一番楽しみにしていたのでシーズン2が一番の見どころだったのかなぁという気がしますが、シーズン3はどうなっていくんでしょう。カノはまだ出番あるのかな?

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