『サードデイ〜祝祭の孤島〜』第1話『1日目』ネタバレ感想:美しくも不気味な島でこれから何が起こるのか気になる
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スターチャンネルで12/9から配信開始になるジュード・ロウ主演のミニドラマシリーズ『サードデイ〜祝祭の孤島〜』(原題:The Third Day)の1話が無料で先行配信されていたので鑑賞しました。全6話だそうです。イギリス・アメリカ合作ドラマで、製作総指揮のひとりにはブラッド・ピットもいるようです。『ファンタスティック・ビースト』のティナを演じたキャサリン・ウォーターストンや、『チェルノブイリ』でホミュックを演じたエミリー・ワトソンも出演しています。
こういう、土着文化的な色が濃い僻地で不穏なことが起こる系の凄く惹かれるし、続きも気になったんですけど、IMDbで評価見たらあんまり高くなかったので、スタチャン加入は保留してます。
原題は『Friday – The Father』になります。
ネタバレ感想
サムが辿り着いた島
サム(ジュード・ロウ)がエポナに案内されて辿り着いたオシー島、めちゃくちゃファンタジーで美しいですね。潮が引いた時にだけ現れる海の道を通ってしか辿り着けない島です。潮が満ちると、もう島から出ることはできません。干潮の時だけ海の中に現れる曲がりくねった美しい道だけが、本土と島を結ぶ唯一の道なのです。オシー島は実在する島で、このドラマは実際に現地で撮影されたようです。映像で見ても本当に美しい島だなと思いますが、携帯の電波が届かなかったりと、色々不便そうです。本当にこういう不気味さがある宗教色の濃い島なのか、それともドラマの脚色なのか、よくわからないです。
出典:ジュード・ロウ、ヤバすぎる祝祭の島へ… – シネマトトゥデイ
ドラマの中では、ケルト文化が残る信仰に篤い島として描かれています。人口は93人。「エススと海」というお祭りが毎年開催され、今はその準備をしており、祭りの時には島の外からも人がやってくるそうです。エポナ曰く、この島の人々は「すべては塩か土」だと信じています。島の少女であるエポナは、ペットボトルの水に塩を入れて飲んでいましたが、それもなにか意味があることなのでしょうか。サムが車に塩なんか置いてるのが謎ですけど(笑)。洗面所の床にも塩が敷かれてましたよね。あれも何か宗教的な意味がありそうな気がします。
ケルト文化と島の祭り
ケルト人は紀元前に勢力をもっていましたが、次第にゲルマン人やローマ帝国に征服されて同化してゆきました。現在では、ケルト文化はアイルランドやスコットランド、ウェールズなどに見られる文化になります。アイルランドの著名な歌手エンヤさんの音楽はケルト音楽に影響を受けておられるそうです。素敵な音楽ですよね。
ケルトの当初の宗教は自然崇拝の多神教で、ドルイドと呼ばれる祭司がいました。ドルイドは宗教的指導の他に、政治的にも重要な役割として関わっていたのだとか。また、ドルイドの儀式では人身御供が行われていたとされる記述もあるようです。サムの夢でエポナと思われる人が生贄にされたようなシーンがありましたが、人身御供が行われていたことと関係してるのかもしれないですね。また、ケルト人には人頭崇拝の風習があり、ケルト芸術には人頭モチーフが多くみられます。ドラマでパブのおじさんであるミスター・マーティン(パディ・コンシダイン)が言っていますが、イギリスではケルト文化がキリスト教に融合したそうです。
「エススと海」という祭りが実在する祭りなのか、ちょっと検索しただけではわかりませんでした。エススというのは古代ケルトの神のひとりですが、あまり詳細がはっきりしていないそうです。戦の神で、残忍な神様である可能性がありそうです。ドラマでは、腹が裂かれたイタチのような動物の死骸のまわりに石を置き、石の上に臓物が置かれてましたが、あれも祭りと関係あるのでしょうか。何か儀式的な意味合いがありそうですよね。祭りの出し物に、頭にかぶりものをして手にハサミを持った「サジョーラー」という怪物(?)がいるのですが、これも本当にそういうものがあるのかよくわからないです。英語のスクリプトでは”Sajora”となっていました。ドラマのオリジナル設定ですかね。
イングランド内戦時の魔女裁判を研究しているというジェス(キャサリン・ウォーターストン)は祭りを見に島に来ています。彼女曰く、この島の祭りはケルトのクロムロックという酒のお祭り騒ぎに基づいているのだそうです。犯罪者と飲酒依存者を集めてうっぷん晴らしをさせ、死者がでるほど激しいものになるようです。英語のスクリプトを見るとクロムロックは”Cromlach”というスペルでした。クロムロックも本当にあったのかよくわからないです。
チャリントン
パブに写真が飾られていたチャリントンという男は、住民から『島の父』と呼ばれています。どれくらい昔のことかわかりませんが、チャリントンがこのオシー島を買い、飲んだくれだった島の男たちに真っ当な街を築かせたのが、この島の始まりみたいです。
原題の「The Father」は、このチャリントンという男を指してるんでしょうか?
島民
親切だけれどどこか不気味さを醸し出している島の住民たち。エポナは自殺しようとしていたし、「殺される」なんて口にしていました。サムはエポナが島の何かを怖れているのではと感じ取っています。エポナが自殺しようとした時、一緒にいた小さな男の子は誰なんでしょう。エポナは彼と会話してるように見えたのに、まるでそんな子いなかったかのような態度です。
ミスター・マーティンの気さくな笑顔もなんかめっちゃ不気味です。サジョーラーの練習(?)をしていた男はサムに対してあまりウェルカムな態度ではないですし、ジェスにはセクハラ的でした。エポナの父ジェイソンは荒っぽい男で、暴力的に見えます。ミスター・マーティンとサジョーラーの男は意味ありげな様子で十字を切っていましたね。しかも、十字の切り方がカトリックと逆の順番でした。カトリックは上→下→左→右と切りますが、彼らはそれを逆から切っていました。
島には大きな屋敷があり、ジェイソンたちはその主をあまりよく思っていない様子です。銃を持ったジェイソンを止めていた白い服の老人が屋敷の主でしょうか?
ジェスも言っていますが、島民は基本的に保守的なようです。閉鎖的な環境ですから、まあそうですよね。親切ではあるけれど、あんまりよそ者を良くは思っていないのでしょうか。
謎の多いサム
主人公サムのこともあまりよくわかりません。サムは島に初めて来たはずなのに、見覚えがあると言っています。来たことがあるけど、その記憶がないのでしょうか。あるいは、幼い頃に来たことがあるor住んでいた?
サムはガーデニングの店を持っていますが、盗みに入られて4万ポンドもの現金を盗まれてしまいます。実はそのお金は、店の承認を得るためにアデイという役人に渡す賄賂でした。ミスター・マーティンに盗んだ犯人は金のことを知っているアデイだと言われ、サムはアデイを疑いますが、結局アデイではなかったようです。そして、サム自身の車から大量の現金が出てくるわけですが、自分で金を車に隠したことを忘れていたのか、誰かがサムの車に金を隠したのか、どういうことなんでしょうね。
冒頭、サムは子供用らしきTシャツを川に流して号泣していましたが、あれはなんなのでしょう。何をしに森へ来ていたのでしょう。サムにしか見えない男の子が着てるTシャツと川に流したTシャツが似てるように見えます。彼は娘2人と息子が1人いると言っていますが、もしかしたら息子はもう亡くなってしまったのかなと予想しています。あるいは、本当はもうひとり子供がいたとか。パブのおばさんであるミセス・マーティン(エミリー・ワトソン)はTVでサムが訴える姿を見たことがあり、「大切な天使を失った」と彼に同情したのだそうです。なので、サムが失ったのは子供っぽいですよね。
それとサムは、移民のせいだと怒る世間に反論したのだそうです。ミセス・マーティンは「本当に移民は悪くない?復讐したくなかった?」とサムに問いますが、サムは答えられませんでした。もしかして内心では移民を憎んでいる…?何があったのかまだわかりませんが、サムは思い出したくない過去を抱えていそうですよね。移民問題が絡んでくるんでしょうか?このご時世、移民が悪みたいな内容にはならないと思いますが。
最後に
まだまだ始まったばかりでわからないことだらけですが、どうなっていくのかめっちゃ気になります。不気味な雰囲気は十分に出てて面白そうだと思いました。いつか続き見たいです。『ウエストワールド』の新シーズンも見たいのでスタチャン(まだやってる?)加入したい気持ちもあるんですけど、どっちも評価が宜しくなさそうなので、いつかでいいかという気にさせるのです(笑)。